2007年4月7日(土)「しんぶん赤旗」

「集団自決」

「日本軍の強制」削除に抗議

沖縄で集会 検定基準にも反する


 文部科学省が高校教科書検定で、沖縄戦の「集団自決」について、日本軍の強制と誘導に関する記述を削除させた問題で、「沖縄戦の歴史わい曲許さず、沖縄から平和教育をすすめる会」は六日、沖縄・那覇市内で緊急抗議集会を開き、約二百人が参加しました。

 同会の高嶋伸欣共同代表(琉球大学教授)は、今回の不当検定は、自由主義史観研究会の記述削除要求の行動や安倍政権の歴史認識など、一連の流れのなかで行われたものだとのべ、問題点を詳しく指摘しました。

 「集団自決」に軍命はなかったとして、元日本軍の少佐が、岩波書店と作家の大江健三郎氏を訴えた訴訟をもとに記述を削除させたのは、文部科学省の検定基準にも反すると批判し、「検定結果の撤回を求めるとともに、この問題を授業にとり上げる運動を広げよう」とよびかけました。

 集会では渡嘉敷島出身の女性(85)が「軍の命令」といわれ、住民が「集団自決」を強いられていった体験を証言。「毎日、新聞を読んで、はらわたが煮えくり返る思いをしている。(歴史の改ざんを)決して許してはならない」とのべました。

 すすめる会の山口剛史事務局長(琉球大学准教授)が「大江・岩波『集団自決』裁判」の傍聴報告を行い、裁判支援を訴え。(1)沖縄戦の教科書記述に対する抗議や要望を、あらゆる機会に広げていく(2)文部科学省に対し「記述復活署名」を取り組む―などの集会アピールを会場の大きな拍手で確認しました。



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