2007年4月7日(土)「しんぶん赤旗」

自民・公明・民主

「オール与党」 このムダ遣い

対決 鮮明

共産党 “税金は福祉に”


 八日投票のいっせい地方選挙前半戦で、ムダ遣いの「逆立ち」政治をただし、暮らし・福祉の充実をという日本共産党の訴えが、どこでも論戦をリードしています。このなかで無駄遣いをすすめる「オール与党」対共産党と住民の共同という対決構図がいっそう鮮明になっています。各地の取り組みを紹介します。


分譲地完売でも大赤字

大阪

 大阪府では関西空港二期事業とその関連事業や大企業誘致に一社あたり上限百五十億円の補助金など、けたはずれのムダ遣いがすすめられています。

 ムダの典型としていま府民の話題となっているのは「水と緑の健康都市」です。府北部の箕面市の山を削って住宅地を分譲する計画ですが、完売しても七百五十億円の赤字。それを府の税金で穴埋めします。関連する工事の影響で府民に親しまれている箕面の滝の水が細くなり、地下水をくみ上げて流しています。テレビ局が「箕面の滝は人工滝」などとして、この問題を追及した日本共産党府議が登場する番組を競って報じました。

 一方、府は財政難だとして福祉医療費助成制度の改悪や府立高校の全国一高い授業料への値上げなど、府民や子どもたちに負担と犠牲を押しつけてきました。

 箕面の滝問題でのテレビ報道のビデオで小集会を開いた新婦人平野支部内の日本共産党後援会では、参加した子育て中の若い母親たちがムダづかいにびっくり。こうした府政を後押ししているのは自民、民主、公明の「オール与党」だと知って、「こんなお金があったら子どもたちのこともいろいろ実現できる」と共産党への共感と支持が広がっています。

赤字競馬に330億円

岩手

 岩手県では、庶民大増税などで県民の生活が大変になっているときに、破たん状態にある県競馬組合への三百三十億円の税金投入が強行された問題が争点になり、怒りがわきおこっています。

 自民党は「まったなし競馬廃止」と公約を掲げながら、多数の議員が税金投入に賛成し、社民党と政和会(無所属)も税金投入の先頭に立ちました。民主党は政党としての態度を明確にできず、議会で反対を堂々と主張したのは、日本共産党の斉藤信氏(盛岡区、定数十)だけです。

 支部と後援会の対話では、有権者から「税金投入に賛成した社民党は許せない」「盛岡市との合併で玉山区の国保税が上がったのを初めて知った。競馬の赤字を税金で穴埋めするのか」などの怒りの声が寄せられ、支持も広がっています。

 大激戦の盛岡選挙区では、税金投入に賛成した他陣営は演説でふれなかったり、競馬存続は経済効果があると開き直ったりしています。

 増田県政は競馬に巨額の税金を注ぐ一方で、四年間で二十二億円の福祉予算を削減し、雇用対策局も廃止。これに賛成してきた民主、自民の「オール与党」と正面から対決してきたのは斉藤氏だけでした。

 斉藤氏は「競馬への税金投入など無駄遣いをやめさせ、くらしを守る」と訴えを続けています。

世界遺産くし刺し道路

奈良

 奈良県議選では世界遺産をくし刺しにする三千百億円もの京奈和道大和北道路計画を推進し、同和行政を温存する「オール与党」と、ムダ遣いと不公正をただし、くらし優先の県政への転換をはかる日本共産党の、二つの流れの対決が鮮明になっています。

 自民、公明、民主、社民などの「オール与党」勢力はユネスコ・世界遺産委員会から同道路ルートの代替案の検討を求められているのを無視して計画を推進。研究者が大気汚染を指摘しているのに、公明党は高速道建設は「環境対策」とあべこべに宣伝しています。

 日本共産党県議団は同道路の平城京跡通過をやめるよう政府や県に求め、世界遺産委員会にも出向いて現地調査の実施を要請しました。

 県と「解同」(部落解放同盟)との癒着により奈良市の事業者に二十億円の融資を行い、ほとんどが未返済の問題で、共産党は県民の裁判闘争と共同し、一貫して県の責任を追及してきました。奈良地裁は先月二十二日、県が回収を放置した違法性を断罪する判決を下しました。同県平群東後援会の女性が、電話で「解同」が推す候補者のことを話すと「初めて聞きました。きちっとものが言える人が議会に行ってほしい」と返事が返ってきました。

人工島に4600億円も

福岡

 日本共産党の、つの豊臣候補と自民二人、公明、民主の五人で争う大激戦の福岡県議選・福岡市東区(定数四)。福岡市で「オール与党」がすすめる人工島など大型開発のムダ遣いに、他党支持の人からも「今度は共産党」と、支持が寄せられています。

 総事業費が四千六百億円の人工島建設。「税金は一円もかけません」の触れ込みで始まりましたが、事業が行き詰まり、民間マンションの建設にまで助成。この先、どれだけ税金がつぎこまれるかわかりません。

 東区の日本共産党支部と後援会は、宣伝でも対話・支持拡大でも他陣営を圧倒しようと奮闘しています。

 香椎東支部では、民主党支持だった男性に「民主党は県議会でも市議会でも自民党といっしょ」と人工島やオリンピック署名のときにも繰り返し働きかけてきました。その男性に電話すると、「今度は共産党」とうれしい答えが返ってきました。

 「人工島には湯水のように税金を使うのに、住民税大増税、介護保険料、国保料の引き上げで年金生活の方はみんな怒っています。東区に市民の願いにこたえる県議・市議を」と話しかけると、「年金生活で引かれる部分は待ったなしだから」と対話が弾みます。

 「話がしやすい。政策を知りたいという人もいて、大変だけどやりがいがあります」と張り切っています。

1メートル1900万円の道路

山口

 山口県では、一メートル千九百万円もの豪華な高規格道路に県民から驚きと怒りの声があがっており、ムダな大型開発をやめ、くらし、福祉にと訴える日本共産党に共感が広がっています。

 高規格道路の整備は、工事中だけでも、山口宇部道路、宇部湾岸線、小野田湾岸線、小郡萩道路の四つ。工事費は総額千七百三十八億円、県の負担は八百六十六億円にものぼります。

 このうち宇部市の「宇部湾岸道路」は四・五キロメートルしかありませんが、二階が高速走行部分、一階が一般県道という「二階建て道路」。事業費は八百六十億円、一メートルあたり千九百万円となり、一般道(百五十万円)の十二倍以上です。

 県議選宇部市区(定数六)で、日本共産党の藤本一規議員(42)は、「くらしや福祉を切り捨て、大型事業をすすめてきたのが今の県政。自民、公明、民主などのオール与党はこれを後押ししてきた。この逆立ちした県政をただせるのは日本共産党だけ」と訴えています。

 日本共産党は、高規格道路建設費を一割節約するだけで、小学校卒業までの医療費無料化や介護保険の減免措置を拡充できると強調しています。

 中部支部の支部長は「『宇部湾岸道路』の話をすると『そんな豪華な道路をつくってどうするのか。共産党に厳しく追及してほしい』と期待を寄せてくれます」と言います。


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