2007年4月5日(木)「しんぶん赤旗」

ヤンキース開幕戦

平日の昼間に5万人

ファンの熱い思いあふれる


 ちょっとした疑問が頭をよぎりました。ヤンキースの開幕戦は、平日、二日の月曜日、それも試合開始は午後一時。それなのに五万人のファンが球場を埋め尽くしました。

 いったい仕事はどうしているんだろう―。ファンにインタビューをしてみました。

みんな家族

 「開幕戦にファンが駆けつけるのは当たり前」というのはキース・シスコさん(27)。六十人の仲間と川を挟んだ隣のニュージャージー州から、貸し切りバスに乗ってかけつけました。「ファンはみな家族なんだ。肌の色なんて関係ない。特別な存在だ。今日は、上司に休みを取らせてくれとお願いしてやってきた。開幕日は特別。実は上司も来ているんだよ」

 バーテンダーのコートニー・マッケナさん(26)は「開幕日だから、上司に懇願して休みを取った。でもその上司がレッドソックスのファンだったから、ちょっと手ごわかったわ」と笑いながら語ります。カラ・アフレズさん(33)とエリザベス・クルスズカさん(29)は、車で三時間もかかるコネティカット州の町からやってきました。「チケットをとるのは大変だった。でも、ここ十年来、毎年、開幕戦にきている」といいます。

 ヤンキースタジアムの名物おじいさん、フレディ・シューマンさん(82)は、かんかんと鐘を鳴らしながら応援します。ファンからは「フレディ」「フレディ」と声がかかり、一緒に記念写真を撮る姿も。「九歳のときからヤンキースファン。今年は二十七度目のワールドシリーズに行けるだろう」と予想します。

歴史を刻む

 スタジアムの東側でピザ屋を経営するルイ・ディトゥーリさん(54)の住まいはカリフォルニア州。シーズン中だけこの場所でお店を出します。「見せたいものがある」と記者を店の奥のオフィスに連れていき、かつてヤンキースに在籍した伊良部秀輝投手の写真を自慢げに見せてくれました。

 現在、ヤンキースは新しい球場を建設中。ディトゥーリさんは「ここには多くの選手がプレーした歴史が刻まれているんだ。十年後には、もう違うものになってしまう気がする。すぐには受け入れられないよ」と静かに語りました。

 誰もが、取材に快く応じてくれ、しかも語り出したら止まらない―。熱いファンの思いに触れることができました。(ニューヨーク=栗原千鶴、鎌塚由美)


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