2007年3月30日(金)「しんぶん赤旗」

アラブ首脳会議

アラブ和平案復活決議

イスラエルは受け入れを


 【カイロ=松本眞志】サウジアラビアの首都リヤドで開催されているアラブ連盟首脳会議は二十八日、アラブ和平案の復活についての決議案を全会一致で採択しました。

 決議は、すべてのアラブ諸国が、二〇〇二年のベイルート首脳会議で採択されたアラブ和平案に関与することを確認したと強調。「イスラエル政府とすべてのイスラエル国民に対し、アラブ和平案を受け入れ、あらゆるルートで直接かつ真剣な交渉プロセスを復活させる機会を得るよう呼びかける」と主張しています。

 開催国サウジアラビアのアブドラ国王は、アラブ和平案を復活させるにあたり、国際社会が科しているパレスチナへの経済制裁の解除が和平促進にとって重要だと強調。アラブ諸国が団結してイスラエルに対してパレスチナ人の苦境に対処するよう働きかけることを求めました。会議に出席した国連の播基文事務総長は「アラブ和平案は、アラブ諸国が和平達成に真剣であることを示すものだ」と同案への賛意を示しました。

 サウジアラビアのサウド外相は英誌とのインタビューで、「イスラエルが和平案を拒否することは、平和を望まないことを意味する」と述べました。アッバス議長も「アラブ和平案以上に良い案があるとは思わない」と語りました。

 アブドラ国王はイラク、レバノン問題にも言及し、イラクの現状を「(米軍による)違法な占領」と指摘。来賓として出席したパキスタンのムシャラフ大統領はイランと米国の対立を念頭に置きながら、「(イラクを含む)湾岸域内の緊張状態は、世界中にはかりしれない重大な結果をもたらす。公平で公正な現実的立場に立って問題解決のために共同する必要がある」と発言しました。


 アラブ和平案 二〇〇三年三月のアラブ首脳会議で採択された中東和平案。国連決議二四二、三三八にもふれたサウジアラビア和平構想に基づき、(1)第三次中東戦争(一九六七年)時の占領地からのイスラエルの全面撤退(2)エルサレムを首都とするパレスチナ国家の建設(3)パレスチナ難民の帰還―の三点を柱にし、イスラエルがこれらの条件を受け入れれば、アラブ諸国がイスラエルとの外交関係を樹立するというもの。さらにイスラエルとの関係正常化後、核兵器、化学・生物兵器など大量破壊兵器のない中東地域の実現をめざすとしています。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp