2007年3月27日(火)「しんぶん赤旗」

深夜業務免除者乗務外しは不当

日航に賃金支払い命令

東京地裁


 育児・介護休業法に基づく深夜業務の免除申請をしたところ、月に一、二日しか就業させない日本航空インターナショナルを相手取り、客室乗務員四人がとりあげられた仕事分の賃金支払いを求めた裁判の判決が二十六日、東京地裁でだされました。土田昭彦裁判長は、月十日前後の乗務を命じることは可能だったと指摘し、相当分の賃金支払いを命じる客室乗務員側の勝訴判決となりました。

 育児・介護休業法では、小学校就学前の子どもを養育中の労働者が申請した場合、深夜勤務(午後十時から午前五時)を免除するとしています。

 日本航空は深夜業免除と引き換えに、乗務しない日を無給日とした上で、「深夜帯にかからない乗務パターンはほとんどない」として、免除申請者に月一、二日しか乗務させていません。このため多くの乗務員が「月数日分の給与では生活できない」と申請をあきらめ、航空の安全に必要な熟練した乗務員が退職を余儀なくされています。

 判決では、客室乗務員は労務を提供する意思があったが、会社側が拒絶したと指摘。乗務しない日を無給日とする労働協約を結んだJALFIO(JAL労働組合、連合加盟)の組合員には、月五―十三日(おおむね十日前後)の乗務を指示しているのだから、訴えていた客室乗務員に同程度の乗務を指示することは可能であったと断じました。

 判決後、大勢の制服姿の客室乗務員に囲まれて原告らが記者会見。退職に追い込まれた原告の女性(47)は、「(日航の例は、深夜業免除をしたものを)使い勝手の悪い労働者として退職に追い込む企業もあるということ。育児・介護休業法が運用面で完ぺきでないことを示した」と指摘。通常乗務に戻れない部分就労を選ばざるをえなかった女性(46)は、「私たちはお金がほしいのではない。日航が判決を受け、どのくらい仕事を増やすか見守っていきたい」と語っていました。



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