2007年3月22日(木)「しんぶん赤旗」

科学的社会主義だけでは偏ってしまうのでは?


 〈問い〉 世の中にはいろんな考え方があり、科学的社会主義もその一つだ。共産党の考え方が偏っているのは科学的社会主義だけを真理としているからだ、という人がいます。どう考えたらいいのでしょうか。(埼玉・一読者)

 〈答え〉 世の中に存在する「いろんな考え方」のなかでも、世間に流布されているものの多くは、支配階級の立場を代弁する思想(考え方)であり、今日の日本では財界・大企業の利益を弁護する立場の思想です。

 それは、経済的・社会的に支配的な地位を占めている人々が、自分たちの立場を理論化し宣伝する手段においても圧倒的な優位にあるからです。

 こうした考え方の誤りを見抜き、人間社会の全体像を正しく知るためには、科学的な「ものの見方」が必要です。

 マルクスの時代には、宗教的な天地創造の世界観や、理念や思考によって世界が生まれたと考える観念論の哲学が大きな影響力をもっていました。しかし今日では、科学の進歩によって、この世界(自然界)は、人間の思考から独立して存在していると考えることが、あたりまえになっています。これは、科学的社会主義の基礎である弁証法的唯物論の哲学と一致する考え方です。

 人間の社会にたいする見方でも、これまで社会が発展してきた土台に経済の構造と運動があること、多くの国ぐにで、原始共同体から奴隷制、封建制、そして資本主義社会へと発展してきたことなど、マルクスが初めて明らかにした考え方が、今日では、普通の学校教育においても歴史を見る常識になっています。

 日本共産党は、科学的社会主義を理論的基礎とする政党として、その正しさを確信しています。しかし、それは特定の人物が述べた言葉を無条件に信ずるとか、自分たちの考えに合わない事実は無視するといった態度とは無縁のものです。

 科学的社会主義は、真理は、認識の対象に働きかける私たち自身の活動を通して確かめられると考えます。これは、自然科学者が理論を実験によって確認するのと同じです。日本共産党は、実践を通して正しさが確かめられたことは、異なる立場からの意見も含めて真理として受け入れる柔軟性を持っています。(哲)

 〔2007・3・22(木)〕


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