2007年3月14日(水)「しんぶん赤旗」

イラク安定化会議

関係国一堂に会したが…

米、打開策行き詰まる


 【カイロ=松本眞志】十日にイラクの首都バグダッドで開催されたイラク安定化会議では、イランやシリアなどイラク周辺諸国、米国など国連安保理常任理事国などが初めて一堂に会しました。

 会議の詳細な内容は公表されていませんが、米国とイランの代表が直接対話し、次回の外相級会談への出席に合意したことは今までにない変化です。しかし米国はイラク情勢の悪化の責任をイランやシリアに押し付けようとし、アラブ諸国からは米国の責任を追及する声が出ています。

政策の破たん

 米国はイランとシリアを、イラク国内の武装集団を援助して内政干渉していると非難。直接の交渉相手にしてきませんでした。今回、米国がこれらの国と会議に同席した背景には、ブッシュ政権が進めてきたイラク政策の破たんがあります。

 ブッシュ政権は米軍戦闘部隊二万一千人以上のイラク増派を決定し、首都バグダッドやアンバル州で武装集団掃討作戦を進めていますが、占領軍に対する武力攻撃や市民を標的とするテロ、宗派間抗争が沈静化する気配はありません。

 二月下旬には英国やデンマークが相次いで撤退計画を表明するなど、同盟国も米国の力の政策を疑問視しています。

 にもかかわらずハリルザド駐イラク米大使はイラン代表との対話で、イラクの武装集団に武器などを支援しているとイラン非難に終始しました。イランのアラグチ外務次官は、「イラクの平和と安定のために外国軍撤退の時間表を持つ必要がある」と主張。双方とも歩み寄りませんでした。

「無益の戦略」

 イランの核開発問題でも両国が対立していることから、イラクのゼバリ外相は、米・イラン問題をイラクに持ち込んで欲しくないと不快感を示しました。

 会議では、治安、国境、難民問題に関する委員会設置などが確認されたものの、米軍のイラク撤退問題で進展はありませんでした。

 アラブ首長国連邦紙アルハリージ十二日付は「米国は、イラクでの軍事力に依拠した戦略が無益であることを理解する必要がある」と主張。カタール紙アルラヤ同日付は、「現在の混乱の主要因は米軍の侵略と占領であることは明らかだ」と述べています。


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