2007年3月4日(日)「しんぶん赤旗」

法相、アパから献金

グループ企業 森元首相・馳衆院議員にも

耐震偽装問題


 ホテルやマンションなどの耐震強度偽装が問題になっているアパグループと元請け設計会社から、長勢甚遠法務相(衆院富山1区)が、二〇〇三年からの三年間で計七十二万円の献金を受け取っていたことが本紙の調べでわかりました。森喜朗元首相(衆院石川2区)には七十二万円、馳浩衆院議員(同1区)には百五十六万円の献金がそれぞれありました。

 アパグループの建築物については、京都市内のホテルや千葉県成田市のマンションなどで耐震強度不足と構造計算書の偽装が確認されています。いずれも建築主はアパマンション、構造設計をしたのは田村水落設計(富山市)の水落光男一級建築士です。

 政治資金収支報告書によると、長勢法相が支部長を務める自民党富山県第一選挙区支部は〇三年から〇五年の間に▽アパグループの中核企業であるアパ(金沢市)から毎年十二万円の計三十六万円▽千葉県成田市のマンションの設計元請け会社で、水落建築士に構造計算を発注したタムラ建築設計事務所(富山市)から毎年十二万円の計三十六万円――の献金を受けています。

 一方、森元首相が支部長の自民党石川県第二選挙区支部は、アパホテル(東京都港区)と、タムラ建築設計事務所から〇三年から〇五年まで毎年十二万円ずつ、計七十二万円の献金を受け取っています。

 また、前文部科学副大臣の馳議員が支部長の同第一選挙区支部は、〇三年はアパ、〇四年、〇五年はアパグループからそれぞれ三十六万円、計百八万円の献金があるほか、タムラ建築設計事務所から〇三年に十二万円、〇四年に二十四万円、〇五年に十二万円、計四十八万円の献金がありました。

 長勢法相、森元首相、馳議員はいずれも安倍晋三首相の出身派閥である町村派(旧森派)の所属です。アパグループの元谷外志雄代表は、耐震強度偽装マンションを販売した「ヒューザー」の小嶋進社長もメンバーである安倍首相の後援会「安晋会」の副会長との指摘があります。


“後援いただき感謝”

 アパグループなどからの献金について、本紙の「どういう趣旨の献金なのか、返金の意思はないか」との問い合わせに各議員側は次のような回答を寄せました。

 長勢法相は、「どのような趣旨で献金を行われたかについては申し上げる立場にない。政治活動を支援するための献金と承知している」としています。

 森元首相は、「政治資金規正法上の『会費』」としたうえで、「適法かつ適当な金員であり、返金の意思はありません」としました。

 馳議員は、「後援いただいている企業の一社です。感謝しています」として、返金の意思については、「戸惑っております。検討中です」と回答しました。


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