2007年2月25日(日)「しんぶん赤旗」

子どもの医療費無料化の願いに背いたのは誰か

公明新聞の筋違いな攻撃


 公明新聞二十一日付の「編集メモ」は、「“実績ねつ造”の共産党」などと、東京で子どもの医療費無料化拡充の実現に都民とともに取り組む日本共産党を、事実をねじ曲げて攻撃しています。

 「編集メモ」は、日本共産党が二〇〇六年九月議会で中学三年生までの医療費無料化の条例を提案したことに対し、「それで福祉が前進するなら、各会派も条例案を出すだけで実績になる」と難癖をつけています。

 しかし、公明党が子どもの医療費助成の拡充を本気で望むなら、なぜ自民、民主両党とともに、この条例案に反対し、否決したのでしょうか。

 同党は、同年十一月の都議会厚生委員会で新日本婦人の会都本部が提出した子どもの医療費助成の対象年齢を中学三年生まで拡大することを求める陳情にも、自民、民主、生活者ネットとともに反対し、切実な都民要求に背を向けました。

 「形ばかりの条例案の提出」などというのは、都民要求に背を向けてきたことをごまかすための悪ばにほかなりません。

 「編集メモ」は、日本共産党に対し、都が中学三年生までの医療費助成を検討していることを知っていながら、「実績の“アリバイづくり”」のために条例提案したかのように攻撃しています。

 しかし、都が「具体的な検討に着手している」と共産、自民、公明の各党に答弁したのは、〇六年九月二十六日の都議会本会議です。共産党都議団は、それより二週間近く前の同月十三日の議会運営委員会に条例案を提出し、記者会見で公表しています。この点でも、事実をねつ造しているのは公明新聞の方です。

 「編集メモ」は、都の中学三年生までの医療費助成について、昨年六月に自民、公明両党が石原知事に申し入れ、検討が始まったといいますが、このとき、日本共産党も申し入れています。

 日本共産党は、中学三年生までの医療費無料化について、〇四年九月都議会以来、乳幼児医療費助成の所得制限撤廃とともにくり返し提案。〇六年六月議会では、かち佳代子都議が文書質問で「小学生や中学生の医療費無料化、乳幼児医療費助成制度の所得制限撤廃」を要求しましたが、都は「考えていない」との姿勢でした。そこで共産党都議団は、議会の力を発揮して都を動かすため、同条例案を行革一一〇番、自治市民、市民の党の三会派と共同提案したのです。

 そもそも、東京の子どもの医療費無料化を求める運動は一九六八年に始まり、政党としては日本共産党が初めて議会で提案。八八年三月以降、八九年まで四回にわたって都議会で条例を提案しましたが、「単なるスタンドプレー」などと非難し、否決し続けたのが公明党でした。

 都民運動と世論の広がりのなかで、自民、公明両党も反対の態度を変え、九四年一月から三歳未満の乳幼児の医療費無料化が実現したのです。

 子どもの医療費無料化を求めて、長年にわたって都民とともに運動してきた日本共産党に対して、「実績のねつ造」などと攻撃するのは、石原慎太郎都知事と一体となって福祉を切り捨て、都民要求に背を向けてきた同党の姿をおおい隠そうとするものでしかありません。(N)


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