2007年2月24日(土)「しんぶん赤旗」

市民1万1000人が犠牲 クラスター爆弾

国際禁止条約めざして会議

ノルウェー・オスロ


 【パリ=浅田信幸】武力紛争後も長期にわたり無差別に人々を殺傷し続ける残虐兵器であるクラスター爆弾の国際禁止条約を求める国際会議が二十二日、四十八カ国、国連、赤十字国際委員会などの代表の参加のもとに、ノルウェーの首都オスロで始まりました。


 主催国ノルウェーのストーレ外相は会議で、「このような無差別な苦痛を引き起こす兵器はもはや使われてはならないということに合意すべきときだ」と発言し、二〇〇八年までに条約の成立をめざす意図を明らかにしました。

 クラスター爆弾は地上到達前に分裂して数百発の子爆弾を周辺にまき散らし、40%程度が不発のまま残るといいます。不発弾は地雷と同じ効果をもち、戦闘終了後もこれに触れると爆発し、犠牲になる人が後を絶ちません。

 イスラエル軍が昨年七、八月のレバノン・シーア派民兵組織ヒズボラとの戦闘で大量に使用し大きな問題となってきました。レバノンの代表は「イスラエルの遺産として、破壊しなければならない子爆弾が百二十万発もある」と指摘しました。

 非政府組織(NGO)ハンディキャップ・インターナショナルは、過去三十年間に世界中で一万一千人の一般市民が犠牲になったとしています。

 地雷禁止条約のキャンペーンで一九九七年にノーベル平和賞を受けたジョディ・ウィリアムズ氏は「無差別だということは、地雷であれ、クラスター爆弾であれ、核兵器であれ、無差別なのだ。いかなる無差別兵器も国際法の下では不法だ」とロイター通信に語りました。

 しかし米国、英国、フランス、日本、中国、インド、ロシアなど主要国は禁止を主張しておらず、条約の成立とその実効性のためには、国際世論を高めることが決定的な問題になっています。


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