2007年2月20日(火)「しんぶん赤旗」
沖縄担当相時 手がけた大学構想
予算増額へ「助言」
尾身財務相
尾身幸次財務相(衆院比例北関東)がみずから関与したプロジェクト「沖縄科学技術大学院大学設立構想」の予算増額のアドバイスをしていた疑いが十九日、明らかになりました。衆院予算委員会で民主党の馬淵澄夫議員が質問したもの。予算配分を決める責任者である財務相と要求する側の癒着が浮かびあがった形です。
国会答弁などによると、同構想は二〇〇一年六月当時、沖縄・北方対策、科学技術政策担当大臣だった尾身財務相が「沖縄の経済発展を実現し、日本の国際化を実現し、科学技術の発展を推進し、世界に貢献する」として提唱。〇五年九月、同大学構想を推進する独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構(OIST P・C)が発足しました。尾身財務相は〇二年九月末に担当大臣を離任後、同大学の運営委員会(ボード・オブ・ガバナーズ、BOG)にオブザーバーとして参加しています。
尾身財務相は十三、十九日の衆院予算委員会で、同大学構想の支援は「私の政治家としての義務である」と答弁するなど積極的に進めてきたことを自認しています。
問題になっているのは、昨年十月二十四日に開かれたBOGに向けた非公式の電話会議でのこと。内閣府沖縄振興局は、同日の会議を聞き取り調査し、「OIST BOG電話会議(クローズド会議)について(概要)」としたメモを作成しました。
十九日の衆院予算委理事会にこのメモが開示されました。メモは尾身大臣から「来年度予算の確保に向けて、BOGからの強い要求があれば大きな予算が確保される可能性が高い旨の話があったとのこと。特に円滑な施設整備に向けて、施設予算についてはプライオリティ(優先度)が高いとの指摘があった」としています。
馬淵議員によると、沖縄に設置された尾身財務相関連の政治団体「沖縄幸政会」には、同大学の土建工事を受注している國場組が加入。沖縄科学技術研究基盤整備機構のこれまでの施設整備関連工事総額六億六千万円のうち、五億六千六百万円の工事を國場組が受注しています。