2007年2月18日(日)「しんぶん赤旗」

ムダ遣いと不正ただし、福祉まもる日本共産党をのばそう

京都大集会

志位委員長の訴え(要旨)


写真

(写真)訴える志位和夫委員長=16日、京都市、京都府立体育館

 日本共産党の志位和夫委員長が十六日、京都市でおこなった演説のうち、地方政治についてのべた部分(要旨)を紹介します。

 地方政治では、京都府議会、京都市議会とも、自民、公明、民主はすべて与党。今度のいっせい地方選挙の争点は、自公民「オール与党」か、日本共産党かです。ぜひ、“二つのモノサシ”で選んでほしいと思います。

地方政治の第一の“モノサシ”――「福祉の心」

 第一は「福祉の心」を持つのはどの党かです。

 かつて、蜷川(にながわ)虎三知事は、「暮らしを守ることが地方自治の根本」「府民の一人でも自殺者を出してはならない。もしどうしても死ぬようなことがあったら、それはちょっと思いとどまって、私に相談してください」といいました。国の悪い政治から住民を守ってこそ自治体です。

国保料値上げ、「通達」まで出し国保証取り上げ

 昨年、定率減税の半減などで「雪だるま負担増」が襲いかかり、今年は定率減税の廃止で第二の「雪だるま負担増」です。その時に「オール与党」の京都府政・市政は何をやっているか。

 京都市は、国民健康保険料を所得の低い人ほど重い負担の仕組みに変えてしまいました。年金二十万円の夫婦二人世帯で、国保料は〇四年の七万六千円が、今年はなんと十八万円です。払いきれない世帯からは保険証を取り上げ、資格証明書に置きかえる。京都府は四千四百十五世帯、市内では三千九百六十七世帯です。驚くことに府は〇一年に取り上げの「通達」まで出し、資格証明書が倍増しました。

 国保証取り上げは国の号令ですすめられていますが、こんなことがこの日本で許されるのか。滞納しているのは、払いたくても払えない人です。そういう方に、病院窓口で十割払えというのは、命を捨てろというのに等しい政治で絶対に許せません(「そうだ」の声、大きな拍手)。京都府では「通達」まで出して「オール与党」が追い打ちをかける。恥を知るべきです。日本共産党を伸ばして、高すぎる国保料を値下げさせ、保険証取り上げをやめさせようではありませんか。(大きな拍手)

生活保護申請拒否で母子心中まで

 生活保護では、国が老齢加算を廃止し、母子加算も廃止しようとするなか、京都市が保護世帯への夏季・歳末見舞金を廃止し、京都府も全府的に廃止してしまいました。

 生活保護の申請を役所が窓口で拒否する動きも強まっています。昨年、重い認知症の母親の介護のために仕事をやめざるを得なくなり、三回も生活保護申請をしたが拒否され、母子心中をはかり罪に問われた男性の痛ましい事件がありました。京都地裁の裁判長は、「裁かれているのは承諾殺人だけではない。日本の介護制度や行政、とりわけ生活保護のあり方が問われている」と厳しく指摘しました。

 憲法二五条の生存権をぎりぎりで保障しているのが生活保護。国がそこまで手をつけた時に自治体が追い打ちをかける。いったい、何のための自治体か(「ひどすぎる」の声)。日本共産党は暮らしを守る防波堤の役割を果たすため頑張りぬくことをお約束したいと思います。(大きな拍手)

府民とともにきずいた数々の実績

 京都の全地方議員定数六百七十二のうち、共産党の議席は百三十四で占有率19・9%、五人に一人です(大きな拍手)。国会でもこれくらいいたらどんなにいいかなと(爆笑)。京都ではそれだけの力を持っていますから、草の根の運動と共同し、行政を動かす数々の成果を上げてきました。

 子どもの医療費助成の拡充では、入院は小学校卒業まで、通院は就学前までの自己負担の上限を八千円から三千円に引き下げることが実現します。九八年の知事選で争点となった時は通院はゼロ歳、一歳だけで、民主府政の会が「就学前まで無料に」といったら、相手陣営は「絵に描いたモチは食べられない」といいました。しかし、草の根から署名が広がり、繰り返し請願が寄せられるなか、「オール与党」は請願に反対しましたが、ついに「ほんまもん」(笑い)のモチとなりました。(「よし」の声、大きな拍手)

 青年の雇用問題でも、円山青年一揆など若いみなさんのがんばりと共同して、府の企業立地・育成条例に正規雇用の拡大を盛り込み、正規雇用にたいする補助を全国で初めて予算化させました。(大きな拍手)

 日本共産党は野党でもたくさんの仕事ができます。自公民は与党ですが、まともな仕事はできない(笑い)。「オール与党」にないのはお金じゃなく、「福祉の心」です。日本共産党を伸ばして「福祉の心」を取り戻そうではありませんか。(「そうだ」の声、大きな拍手)

第二の“モノサシ”――税金のムダ遣い、その四つの法則

 「オール与党」政治は、暮らしには冷たいが、大型開発のムダ遣いにはけた違いのお金を流し込んでいます。そしてこの種のムダ遣いにはいくつかの法則があります。

 第一は「水ぶくれの法則」(笑い)。際限なく事業費がふくれあがるんです。京都市内高速道路では、「九十億円だけ」といっていたのが、いまや六百億円以上。七倍でサラ金より怖い(爆笑)。京都破壊の浪費道路への支出はストップすべきだと強く主張します。(大きな拍手)

 第二は、「目的不明の法則」(笑い)です。京丹波町に七十七億円で建設予定の畑川ダムは、人口増、水需要増がふれこみですが、残念ながらここは人口が減っている地域です。ダム開発地域だけは十年間で人口が六千人増えると言い訳し、「ダムを造って給水すれば、住む人が増える可能性がある」(爆笑)からと。党議員が根拠を追及すると答弁不能におちいりました。

 三つ目は、「採算見通しなしの法則」です。舞鶴市に建設の和田ふ頭(四百九十六億円)はすでに九九年に運輸省から「最小限度にしたほうがいい」といわれていたのに、建設計画にしがみついています。地元の自民党府議は昨年二月の議会で「何か明るい展望があったら教えてほしい」。教えてあげます。きっぱりやめればいい。(爆笑、拍手)

 こういうムダ遣いを「みんなで渡れば怖くない」――これが第四の法則ですが、そうやってきた「オール与党」の罪は本当に深いものがあります。(拍手)

ムダ遣いと不正ただせる唯一の党

 日本共産党は、税金のムダ遣い、不正・腐敗を正せる唯一の政党です。城陽サッカースタジアム、南丹ダム、丹後リゾート計画など、府の事業を縮小・廃止したものだけで千五百億円にのぼります(大きな拍手)。京都府知事から感謝状をもらってもいいくらいの大活躍です。(笑い、「そのとおり」の声、拍手)

 部落解放同盟(「解同」)の不正に真っ向から切り込んできたのも、日本共産党ならではの活躍です。京都市では同和地区の奨学金の返済を肩代わりし、今後二十二年間に四十億円を超える支出をすることが大問題になっています。いよいよやめさせようというときに、民主、公明は府議でも市議でも「解同」推薦の議員がいます。しかも今回の市議選で、民主は、「解同」現役幹部を公認候補にたてています。まったく時代に逆行しています。

 みなさん、「解同」タブーは日本共産党の奮闘で全国的に打ち破られつつあります。不公正な同和行政はきっぱり終結させようではありませんか。(「よし」の声、大きな拍手)


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