2007年2月17日(土)「しんぶん赤旗」
自民県議“お手盛り”質問
関連企業が県発注工事受注
栃木
栃木県の複数の自民党県議が、豪華県庁舎やダム建設の推進を求める発言をおこなう一方、これらの公共事業の受注企業に県議自身が社員や株主として名前を連ねていることが十六日、本紙の調べで分かりました。
本紙調査で判明
問題の企業の一つは自民党県連副幹事長である神谷幸伸県議(鹿沼市選挙区)が社員になっている神谷建設(本社鹿沼市)。神谷議員は一九九七年まで同社で社長をつとめ、株式七千八百五十五株を所有。社員としての報酬も得ています。
同社は、国土交通省発注で、県も約百億円の負担金を負っている湯西川ダム建設の関連工事「湯西川下地区盛土工事」を、約三千五百万円で二〇〇六年七月に落札しています。
さらに神谷建設は、県発注の大芦川通常砂防工事も一億三千五百万円で〇五年十一月に落札しています。この砂防工事は県が〇一年に建設を中止した東大芦川ダムの代替事業です。
栃木県では、〇一年に福田昭夫前知事が財政上の理由から東大芦川ダム建設の中止と、県庁舎建設の計画を凍結。これに反発して県議会では「推進決議」(〇一年三月議会)をあげ、ムダな公共事業だと批判する日本共産党をのぞく全会派が賛成しました。
神谷議員は、〇五年三月三日の定例会で「(東大芦川ダム中止について)私は個人的にはいささかまだ不満」「代替案についてどのように進めていこうとしているのか」とのべ、代替案の実行を促していました。
五百五十億円をかけ“豪華庁舎”の批判がある県庁舎建設では、自民党の板橋一好県議(小山市選挙区)が大株主(13%超保有)の板橋組(本社小山市)が受注しています。県庁の行政庁舎低層棟の新築工事で板橋組が入る四社の共同企業体が〇四年八月に三十二億四千五百万円で落札し、98・7%と高い落札率となっています。このうち板橋組は六億一千五百五十万円分を受注しています。
板橋議員は〇一年三月二日の定例会で「後世に汚名を残さないように、中途半端なものではなく、きちんとしたものをつくっていっていただきたい」と県庁舎建設を迫りました。
本紙の問い合わせに対し神谷議員は「ダムの質問をして、会社に利益を出そうというわけでなく、たまたま受注したということで理解していただきたい」と回答しました。板橋議員からは、十六日までに回答がありませんでした。
県発注の事業が議員利益に直結
野村せつ子県議候補(宇都宮市選挙区) 自民党を中心とする栃木県議会が「ダム建設や豪華庁舎建設計画を見直してほしい」という県民の声を排除してまで推進する理由の一端を見る思いがし、非常に憤りを感じます。県の事業が議員自らの利益に直結するという、あってはならない構図を断ち切るためにも、今度の県議選で日本共産党の議席を必ず勝ち取る決意です。