2007年2月14日(水)「しんぶん赤旗」

生産手段の社会化 交通機関や放送局は?


 〈問い〉日本共産党の綱領第5章には、「社会主義的変革の中心」は「主要な生産手段の所有・管理・運営を社会の手に移す生産手段の社会化である」と書かれています。生産をしていない交通機関や放送局は社会化されないのでしょうか。(大阪・一読者)

 〈答え〉 日本共産党の綱領第5章は、日本社会が資本主義を乗り越え、社会主義・共産主義社会への前進をはかる段階の展望を述べているものです。そこでは、「社会主義的変革の中心は、主要な生産手段の所有・管理・運営を社会の手に移す生産手段の社会化」であり、「生活手段については、この社会の発展のあらゆる段階を通じて、私有財産が保障される」という基本的な発展方向を明らかにしています。その際、どの分野の生産手段が社会化の対象となるのか、それがどのような所有形態へとすすむのか、といったことは、この変革が現実の課題になった段階で、政治情勢や経済・社会の状況を踏まえて検討されるべきものです。

 当然、資本主義時代の価値ある成果や経験がうけつがれ、いっそう発展させられるでしょう。

 綱領はまた、「社会主義・共産主義の社会がさらに高度な発展をとげ」た後に、「人間による人間の搾取もなく、抑圧も戦争もない、真に平等で自由な人間関係からなる共同社会への本格的な展望が開かれる」という、長期の展望も明らかにしています。ここに書かれている未来の共同社会は、搾取そのものがなくなる社会です。そこへいたる過程では、財貨の生産をおこなわないサービス産業も含めて、今日の大企業が担っている経済活動のすべてが、いずれは何らかの形で社会的な所有・管理・運営へすすんでいくだろう、というのが理論的展望です。

 なお、鉄道などの交通機関は、原料や商品を運ぶことで生産の一端を担うという性格をもっていますし、国民生活と日本経済を支える大事な産業です。したがって、そのあり方については、安全性と経済効率の両面からの検討が必要です。

 また、放送や新聞などのマスメディアは、国民の言論の自由や人権の保障という面からも重要な機関であり、「真に平等で自由」な社会の言論機関にふさわしい経営の形態が探求されることになります。(哲)

 〔2007・2・14(水)〕


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