2007年2月12日(月)「しんぶん赤旗」

核・生物・化学戦 衛生隊

自衛隊、初配備へ

朝霞駐屯地 海外派兵も視野


 核・生物・化学(NBC)兵器攻撃による傷病者の診断、治療などにあたる自衛隊初の専門部隊、防衛大臣直轄の「対特殊武器衛生隊」が〇七年度末に編成され、埼玉県の陸上自衛隊朝霞駐屯地に配備されることが十一日までにわかりました。


 東京防衛施設局が関係自治体に行った説明、提出資料によれば同衛生隊は特殊武器(核・生物・化学兵器)による攻撃に際し「傷病者の検査、治療などにあたる」もので人員は七十人。

 朝霞駐屯地への配備について、全国展開の容易性、中央病院(東京都世田谷区)、衛生学校(同)、東部方面衛生隊、中央即応集団などとの連携の利便性をあげています。

 訓練内容として「人体や周辺環境に害のない試薬などを用いて特殊武器を検知するための器材の操作、取り扱い」「傷病者の検査・治療などを迅速に実施するもの」としています。

 同隊の編成について「〇四年の防衛大綱、中期防衛力整備計画に基づき、防衛庁(ママ)・自衛隊はより効率的・効果的な部隊編成、配置等を実施している。その一環」と説明しています。


解説

「戦争する国」づくり 具体化

 新たに編成される部隊について防衛省は本紙の取材に、防衛大臣直轄部隊であり、隊長は「一佐」、隊員の職種を「衛生科員」と回答しています。

 同部隊は、米軍再編に沿って「防衛大綱」が打ち出した「新たな脅威と多様な事態」に対応する自衛隊再編の一環で、防衛省は海外派兵について「ないとは言えない」としています。

 連携対象にする中央即応集団は、防衛省移行で本来任務に格上げされた自衛隊の海外活動任務を先導する部隊。司令部は当面、朝霞駐屯地におかれます。同集団にすでに組みこまれている、NBC戦に対応する中央特殊武器防護隊(さいたま市)とは一体です。

 安倍首相のNATO理事会での「国際貢献での自衛隊海外派兵をためらわない」発言など、憲法改悪をにらんだ「戦争する国(自衛隊)」づくりの具体化であり、内外で高まる“憲法九条守れ”の世論と相いれないものです。(山本眞直)


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