2007年1月31日(水)「しんぶん赤旗」

国の責任認めず

中国「残留孤児」訴訟 「非情」と原告

東京地裁


 首都圏に住む中国「残留日本人孤児」四十人が、国に対して早期帰国実現と自立支援の義務を怠ったと一人あたり三千三百万円の国家賠償を求めた裁判の判決が三十日、東京地裁で言い渡されました。加藤謙一裁判長は「原告らの早期帰国を実現する法的義務を負うと認めることはできない」として、国の賠償責任を認めず、原告の請求を棄却しました。

 全国十五地裁に約二千二百人が提訴した集団訴訟で、大阪地裁と神戸地裁に続く三件目の司法判断。

 加藤裁判長は、国による第二次世界大戦前の「満州国」(中国東北部)の建国や移民政策などが孤児発生の原因だったと認定。しかし、国の実質的な植民地政策や戦争政策は高度の政治的判断にもとづくとして、「本来、司法審査の対象ではなく、戦前の国策も例外ではない」との判断を示しました。

 昨年十二月の神戸地裁判決は、「戦前の政府の政策は、自国民の生命・身体を著しく軽視する無慈悲な政策だった」と、国の棄民政策を断罪して「国は残留孤児を救済すべき高度の政治的な責任を負う」と、国の賠償責任を認めました。

 東京地裁判決は、この神戸地裁判決と正反対の結論となり、原告団・同弁護団は同日、記者会見し、「原告の思いを一顧だにしない、きわめて非情で冷酷な判決」とする声明を発表。直ちに控訴することを明らかにしました。


 中国「残留日本人孤児」訴訟 終戦前後、旧満州(中国東北部)などに取り残された日本人孤児二千二百十人が「早期に帰国させる義務を怠り、自立支援も不十分」として、国に一人三千三百万円の損害賠償を求めた訴訟。全国十五地裁に起こされ、十四地裁一高裁で係争中。大阪地裁は二○○五年七月、原告の訴えを棄却しましたが、神戸地裁は先月一日、国の責任を認めて賠償を命じました。東京地裁では三十日判決の四十人を含め、千九十二人が提訴しています。


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