2007年1月30日(火)「しんぶん赤旗」

24時間小児救急医療

2403署名もち要請

市長“提案する”

医師も「共産党に感謝」

07年 二大選挙 草の根から


 埼玉県所沢市(人口三十三万人)。東京のベッドタウンとして発展し、若い世帯が増えていますが、市内には夜中に駆け込める小児病院がありません。日本共産党の所沢市委員会と支部は、昨年から「小児救急医療の二十四時間」体制を求めた運動にとりくんでいます。


埼玉・所沢の党支部

地図

 昨年五月に党所沢市委員会が実施した市民アンケートの回答で、三番目に多かったのが、小児医療の二十四時間体制を整えることでした。

 所沢地区(所沢、狭山、入間の三市)では、休日・夜間等の小児救急医療のために輪番制をとっていますが、月曜日は確保できず、市内から車で四十五分かかる当番病院もあるなどの問題を抱えています。隣接する東京都清瀬市にある都立清瀬小児病院を頼らざるを得ませんが、同病院は二〇一〇年には東京都府中市へ移転が決まっています。

写真

(写真)保育所前で署名活動をする支部員とやぎした礼子前県議(右側)=埼玉県所沢市

 この問題は、こぶし東党支部の会議でも議論となり、「しんぶん赤旗」読者や新日本婦人の会の会員の間で「小児救急医療体制が不十分だから心配」「所沢は子育てがしづらい」と話題になっていることが話し合われました。

シンポ130人参加

 「小児救急医療問題は子育て世代にとって深刻な問題だ」と、こぶし東支部は、こぶし西支部とともに、昨年七月八日に、「どうなるの? 小児医療」をテーマに、消防署の救急隊員と城下のり子市議、やぎした礼子前県議を招いて、勉強会を開きました。

 参加者の女性(38)からは、「今こそ所沢市が自力で小児医療体制を整える道を探らなければならないと実感した」との声が寄せられました。

 これに手ごたえを感じた所沢市委員会は、「二十四時間小児医療体制を考えるシンポジウム」を十一月十八日に開催。やぎした前県議はコーディネーターを務めました。

 こぶし東、西支部は、事前に宣伝とビラ配布をして参加をよびかけました。ビラを見て病院がなくなることを知る人も多く、「若い人たちとの対話がはずんだ」とこぶし東支部の荒川セイ子さん(63)は振り返ります。

 市内の各支部のこうしたとりくみの結果、シンポジウムには百三十人が参加しました。パネリストの三田一夫県医療整備課副課長は、「(救急医療体制確立へ)県は応援したい」と発言。草刈章・所沢市医師会理事は、清瀬小児病院の救急患者受診者の11・7%が所沢市民だと説明し、「このような市民の動きで、市も動いてくれるのではないか。シンポジウムを開いた共産党に感謝している」と語りました。

 シンポジウムは成功を収め、市内各支部では、小児救急医療の二十四時間体制の実施を求める署名活動にとりくみはじめました。

保育園前で署名

 こぶし東支部は、保育園前で署名活動をしました。子どもの送迎で忙しくしている親たちに頼むので、朝はビラと署名用紙を封筒に入れて渡し、夕方署名用紙を回収する方法をとりました。親だけでなく職員の反応も好意的でした。

 山口支部が市立幼稚園前でとりくんだ行動では、園長自らが署名し、「多くの人が清瀬小児病院がなくなることを心配している。小児救急医療の施設が絶対にほしい。がんばってください」と激励しました。

 集めた二千四百三人分の署名は、支部、やぎした前県議、所沢市議六人が、今月二十二日、市長に手渡しました。やぎした前県議が「小児救急医療体制を早急に整えてほしい」と訴えると、斎藤博市長は「おっしゃるとおりだ。今月三十日に開催される所沢地区救急医療協議会に提案する」と応じました。

 「清瀬小児病院の救急患者の一割は所沢市民で、外来の四割は埼玉県民という事実と合わせて、この間の市民の要求の大きさに、市長も前向きなのだと思います」とやぎした前県議はいいます。

 市委員会と各支部はひきつづき署名にとりくんでいます。こぶし東支部の砂山元明支部長(71)は「地域の切実な要求に心を寄せ、解決のためにがんばるのが共産党だというのをあらためて実感しています。市民の要求実現に向けて奔走するやぎしたさんが、再び県議会で活躍できるように全力をあげます」と話しています。(岩井亜紀)


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp