2007年1月22日(月)「しんぶん赤旗」

未来への希望と現実

アフリカから発信

世界社会フォーラム


 【ナイロビ=岡崎衆史】二十日にケニア・ナイロビで催された第七回世界社会フォーラム開会式は、初めてのアフリカ単独開催となったことを反映し、歌、音楽や踊りに満ちたアフリカらしい式典となりました。

貧困だけでない

写真

(写真)世界社会フォーラム開会式でエイズ対策を訴える参加者=20日、ナイロビ・ウフル公園(岡崎衆史撮影)

 参加者の多くもアフリカ人。エネルギッシュな踊りの最中、笑顔の合間にみせる真剣な表情からは、「アフリカの今を世界に発信したい」との思いが伝わってきました。

 「貧困だけではない、本来アフリカはすばらしいものを持っている」。カウンダ元ザンビア大統領が式典で訴えると、「おおー」と呼応する声が会場全体を揺るがしました。貧困やエイズだけではない、文化や伝統など世界に自信をもって伝えることができるものをアフリカはもっている、多くの人がその思いを共有していることを示していました。

 地元ケニアからの参加者に声をかけると、現状への危機感と未来への希望の両方が返ってきました。

 マーガレット・ワンジルさん(76)は、生活が苦しく高齢となった今でも野菜などを売って十人家族の生計の一部を支えています。

 「安全な水や電気の供給さえままならないケニアの状況を知ることで、世界がアフリカの直面する問題を理解する機会になってくれればと願っている」と話しました。

労組結成さえも

 ナイロビ西方から自動車で二時間かけて参加したというアンドルー・ツモさん(28)は、コーヒーや紅茶、果物栽培などを手がける外国企業から解雇されたばかり。

 「多国籍企業は劣悪な労働条件で低賃金の労働を地元の人々に押し付けている。労働組合の結成さえ認められない。アフリカの労働者の状況が良くなれば世界も良くなるはず」と述べ、アフリカから世界を変えることに期待を示しました。

 ケニアのラジオ局に勤めるティモシー・キルイさん(25)は、「経済的に繁栄するためには平和が大事なのに、隣国エチオピアのソマリアへの侵攻や米軍の空爆は、それに逆行しています。軍事力による紛争の解決は恨みや報復を生み出すだけ。紛争の対話解決を世界の流れにするようアフリカから発信したい」と語りました。


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