2007年1月19日(金)「しんぶん赤旗」

非正規の保育士・看護師など

半数「賃金改善を」

3割「正規職員に」


 福祉保育労(全国福祉保育労働組合)の保育部会がまとめた「パート・非正規アンケート」で、労働者の約半数が賃金改善をのぞみ、三割が正規職員になりたい―と回答していることがわかりました。低い賃金や契約更新が繰り返される不安定な状況に悩む姿も明らかになりました。


福祉保育労調査

 アンケートに回答したのは、保育士や看護師、事務職、調理員など五百八十四人(非組合員二百七十三人を含む)です。

 労働条件で改善してほしいことをたずねると、賃金が46%でトップ、労働時間にかんするものが20・5%、仕事内容15・5%の順番になりました。賃金が安いうえに、資格や経験が加味されずに何年働いても昇給なし、手当なしという実態です。多くが日給制で、休みが多い月は賃金が大幅にダウンしていました。

 雇用条件で改善してほしいことをたずねると、正規職員になりたいという回答が最も多く29・7%。期間の定めをなくす26・9%、月給制15・4%でした。毎年の雇用契約更新の際に雇い止めされないか心配、不安との声が多くありました。

 フルタイムで働く非正規の保育士は、正規職員の保育士とほとんど変わらない労働をし、六割が担任をもっていました。会議に参加しない、事務仕事をしない、早番・遅番などローテーションが違うといった内容で正規職員と区別が図られ、仕事上は知っておかなければならないことが知らされないなど、不都合が生じている場合もありました。

 アンケートの対象となった九十八分会では、全職員数に占める正規職員の割合(平均)が34・1%で、保育時間の長時間化や新規事業の導入が非正規やパートの職員の配置によって担わされている実態が裏付けされました。看護師や給食担当者、事務職員など、非正規職員しかいない職場もありました。

 アンケート結果は福祉保育労のホームページhttp://www.fukuho.org/でみることができます。


 実態アンケートから

 ▼保育をするうえでは、正規職員もパートもなく、同じように責任をもって保育しているので、それに値するような労働条件の改善をめざしてほしい。

 ▼ほとんど担任と変わらない仕事をしているにもかかわらず、賃金、休暇などの違いが大きい。一年契約なので、職の安定が見込めない。ちょっとしたことでも正規と差をつける。

 ▼保育の仕事をする意欲にあふれ、園児からも慕われているのに、臨時職員のため、退職せざるを得ない若い保育士をたくさん見てきた。保育にかかわる仕事の正規職員採用はますます厳しくなっていくのであろうが、非正規職員を増やすということは、正規職員の負担を重くすることでもあり、それがより良い保育につながってゆくとは思えない。

 ▼私はパートで出産のため、退職という形になりました。園側に書類の都合上退職を言われ、突然のことで従うしかないと、いったん退職しました。


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