2007年1月18日(木)「しんぶん赤旗」

「民主は“二番煎じ”」

自民大会 資料で批判したが…


 「民主党の格差是正策は、自民党の『二番煎(せん)じ』ばかり。『逃げ』と『バラマキ』、無責任のオンパレードです」――。

 自民党は十七日の党大会で、民主党の「年金政策」「農業政策」「格差是正策」などを批判する、資料を配布しました。

 資料は党広報本部発行の『自民党 FAX NEWS』(A4判)。国会議員、衆参選挙区・比例区支部長あてで、「必ず、本人がお読み下さい」とわざわざ注がついています。

 年金問題では、民主党が消費税の福祉目的税化を掲げながら、消費税を現行5%で維持すると主張していることを攻撃。かつて民主党が年金財源として消費税率を3%程度引き上げると主張していたことをあげ、「国民に何の説明もなく、制度の根幹部分を変更するのは無責任ではないか」「(民主党案では)税率は今より12%もはね上がり、一気に17%になってしまいます」という具合です。

 消費税の福祉目的税化が消費税率の引き上げにつながることを突いたものです。しかし、当の自民党も、参院選後には消費税率引き上げについて議論を本格化させようとしており、そのことは棚上げしています。

 民主党が準備している「格差是正緊急措置法案」もやり玉に。「正規・非正規社員の均衡処遇」や「パートタイム労働者への社会保険の適用拡大」は、政府・与党としてもすでに検討しているとして、「民主党の格差是正策は二番煎じのオンパレード」と皮肉っています。

 民主党は通常国会で「格差是正」を最大の争点にしようとしていますが、それを自民党から「自民党が既に対策を講じようとしている内容」と指摘された格好です。

 「格差と貧困」を広げてきた大きな原因の一つは、相次ぐ労働法制の改悪などです。配布資料では、この自民党自身の責任についてはまったく不問に付したまま。民主党にしても、労働者派遣の対象業務の原則自由化などに自民党とともに賛成してきました。

 参院選を意識して民主党を攻撃する材料の提供が狙いでしょうが、こんな自民党の資料からも、自民党と民主党の違いのなさがはしなくもあらわになっています。(K)


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