いまこそ人間らしく働けるルールを
2、使い捨ての働かせ方をなくす――非正規で働く人たちの権利を守り、均等待遇と正社員化をすすめる
【均等待遇を法制化し、パート労働者の権利を保障し、待遇を改善する】
 仕事が同じなら待遇も同じ――多くのパート労働者の願いであり、当たり前の国際標準です。ところが、政府の「パート労働法改正案」が「差別禁止」の対象にするのは、「パート労働者の1%もいるかどうか」などといわれる範囲です。パート労働者の願いとはほど遠い法案を「格差是正」の“目玉”のようにいう安倍内閣とその与党は、パート労働者の「同じ仕事をしているのに給料は半分以下」という怒りや苦しみに背を向けているといわざるを得ません。「同一労働同一賃金」の原則、不当な差別や格差の禁止、均等待遇を法律に明記すべきです。
 同時に、現行法でも、パートだからといって有給休暇や雇用保険などの権利を制限することはできないにもかかわらず、違法・脱法状態が広く存在しており、是正すべきです。食堂、休憩室の利用や交通費や慶弔費支給などの差別もただちに解消すべきです。
 また、二つ以上のパートをかけもちするダブルワークにも、雇用保険をはじめ社会保険加入の権利を保障するように、制度を整備すべきです。

【「短期・反復」という使い捨て雇用契約をやめさせる】
 派遣や契約社員、パートなど非正規雇用の多くが、数ヵ月というような短期間の雇用契約を繰り返しながら仕事をしています。いつ仕事がなくなるかわからない、生活設計もままならない、失業と隣り合わせの働き方です。上司や職場に言いたいことがあっても、「嫌ならやめろ」の一言で片付けられるなど、短期・反復の雇用契約が、弱い立場と劣悪な労働条件の大きな要因にもなっています。
 恒常的な業務に従事している労働者の雇用期間を短くする理由はありません。裁判所の判例でも、厚生労働省の見解でも、短期の雇用契約を繰り返している場合は、期間の定めのない雇用契約とみなす、となっています。企業が、募集や採用にあたっての「強い立場」を利用して、合理的理由のない「短期雇用契約」を押しつけることは許されません。
 合理的理由のない「短期雇用」は、不公正な契約として規制し、正規常用雇用に移行させます。職業安定機関(ハローワーク)は、合理的理由のない「短期雇用」の求人は受理せず、そういう募集をする企業は紹介停止にします。

【会社による違法・脱法行為をきびしく監視し、非正規で働く人たちの権利を保障する】
 厚労省の調査でも、派遣や請負の法令違反は、5年間で21倍にも増え、約6割の事業所で何らかの法律違反が見つかっています。実際は、労働者なのに「個人請負」契約にして、法律で保障された労働者としての権利を奪う脱法行為も増えています。こうした違法行為をなくし、労働者としての権利を守ることは、“人間らしい労働”のために不可欠です。
 労基署の体制強化や相談窓口の拡充などをはかります。ILOの理事会は昨年11月に、先進国は、労働者1万人に1人の労働基準監督官を配置すべきという決議をしました。この水準にするためには、監督官を二倍にすることが必要です。
 また、国でも自治体でも、「労働法ハンドブック」の作成など、労働者の権利と雇用主の義務を知らせる広報活動を抜本的に強化します。

【ワーキングプア、フリーターを支援する国や自治体の取り組みを強化する】
 非正規で働く労働者が、技能を身につけたり、資格を取得できるように職業訓練の機会を抜本的に増やすべきです。低賃金で貯えがない人には訓練期間中の生活資金の援助を行うことも必要です。政府は、「再チャレンジ」といいながら、雇用対策予算を半減させ、2000億円も削りました。これを元に戻すだけでも、ワーキングプアやフリーターからの脱出を願う人たちに生活の心配なく職業訓練を受ける機会を大きく増やすことができます。
 アパートも借りられず、一泊千数百円のネットカフェで寝泊りしながら働いている若者もいます。若い世代向けの公共・公営住宅の建設や借り上げ、家賃補助制度、生活資金貸与制度など、国や自治体が、生活支援を強めることも必要です。

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