いまこそ人間らしく働けるルールを
1、異常な長時間労働を是正する
【「ホワイトカラーエグゼンプション」の導入は絶対にゆるさない】
 残業代横取り、長時間労働野放しの「ホワイトカラーエグゼンプション」は、過労死など深刻さを増している長時間労働をさらに激化させるとともに、ホワイトカラー労働者の所得を数兆円規模で奪うことになり、日本経済にも深刻な打撃となります。安倍内閣は、サラリーマンの反発に驚き、今国会での法案提出はあきらめました。これは世論と労働者のたたかいの大きな成果ですが、「ホワイトカラーエグゼンプション」そのものを断念したわけではありません。こんな悪法は絶対に提出すべきではありません。

【違法な「サービス残業」を根絶する】
 「毎日、深夜まで勤務。『サービス残業』は月に300時間」「午前7時から午後11時までの勤務。残業代は1時間だけ」・・・違法な“ただ働き”の「サービス残業」によって、異常な長時間労働がまかりとおっています。
 日本共産党は、「サービス残業」は労働基準法違反の企業犯罪であると、国会で270回を超える質問で追及し、01年4月には、「サービス残業」根絶の厚労省通達を出させ、05年度だけで233億円、5年間で851億円の未払い残業代を支払わせました。しかし、これは氷山の一角です。違法行為が繰り返され、残業時間を少なく申告することを強制する、パソコンなどに残された退社時間の記録を改ざんするなどの隠蔽工作も横行しています。
 長時間労働を是正するためには、違法なサービス残業の根絶が急務になっています。監督や告発を強化するとともに、違法を繰り返したり、隠蔽工作をするなどの悪質な企業は、企業名を公表するとともに、不払い残業代を二倍にして支給させるなどのペナルティーを強化します。

【残業時間の上限を法定するとともに、最低11時間連続の休息時間を確保する】
 政府は、長時間労働を是正するために労働基準法を改正するとしています。しかし、残業代割増の義務化は、過労死の危険があるとされる月80時間以上もの残業に限られるなど、きわめて不十分です。
 日本の労働基準法には、残業時間の上限を規定していないという他の主要国にはない異常な問題があります。これを是正し、長時間労働そのものの法的規制をすべきです。政府は、「残業は年間360時間以内とする」という大臣告示を出しており、まずこれをただちに法定化すべきです。
 長時間労働の根本は、リストラによる人減らしで、仕事量に対して人が少なすぎることにあります。「一人に二人分働かせる」という非人間的な長時間労働をなくすためにも、残業代の割増は、人を増やした方が経営面でもメリットがある水準をめざすべきであり、現行の25%増を、少なくとも50%増にすべきです。
 過労死や過労自殺をはじめ長時間労働による身体と心の病をなくすためにも、休息時間の確保が必要です。EUのように、連続休息時間を最低11時間は確保します(深夜12時まで働いたら、翌日の出勤は11時以降)。休日出勤は極力行わせず、どんな場合でも1週間に1日は休めるようにすることなどをルール化するよう提案します。
 中間管理職や裁量労働制の労働者の長時間労働は、非常に深刻になっています。使用者は、どんな役職の者でも、労働時間をきちんと把握・記録し、過労死基準を上回るような働かせ方をさせないようにすべきです。また、実質的な管理監督者でない労働者を名目上の管理職に仕立てて、残業代なしで長時間労働に就かせることもやめさせます。

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