◆(11)二〇〇七年の二つの全国的政治戦をたたかう方針について

 二〇〇七年は、いっせい地方選挙と参議院選挙を連続的にたたかう年になる。連続する選挙で本格的前進をかちとる共通した土台は、参院選はもとより、地方選挙においても、党とその議席の値打ちを太くおしだし、党そのものへの支持を獲得する活動をたたかいの軸にすえることにある。

(1)地方政治の現状といっせい地方選挙について

 地方政治は、政府・財界のすすめる「構造改革」路線と国民生活との矛盾の激しい焦点の一つとなっている。

 ――「三位一体の改革」の名で地方財政への攻撃が強められている。財源の一部を地方に移すのとひきかえに、国の責任でおこなうべき福祉・教育のための国庫補助負担金を縮小・廃止し、地方交付税を削減することで、住民サービスの大幅な切り下げがおしつけられようとしている。

 ――「平成の大合併」の号令のもと、政府が強力に推進した市町村合併によって、全国の市町村数は、一九九九年三月末の三千二百三十二から、二〇〇六年三月末には千八百二十一まで約四割減ることになるが、政府は、引き続き市町村合併のおしつけを推進しようとしている。さらに重大なことは、いっそうの合併おしつけが、道州制の導入の検討と一体にすすめられようとしていることである。

 ――政府・総務省は、二〇〇五年三月に、「地方行革推進のための指針」を発表し、すべての自治体に二〇〇五年から五年間の「集中改革プラン」を策定させ、職員の削減、業務の民間委託と民営化など、福祉と暮らしのための施策のいっせい切り捨てをおしすすめようとしている。

 これらの地方政治への攻撃が、住民福祉の機関という地方自治体の存在意義そのものを否定するものだけに、住民との矛盾を広げ、注目すべき変化が生まれていることは重要である。合併の強権的おしつけにもかかわらず、政府が目標とした「一千の市町村」には遠くおよばず、合併を拒否した自治体はもとより、合併を選択した自治体もふくめて、住民が町づくりへの意識と自覚を高め、その不安、要求に真剣にこたえて活動する日本共産党への新たな期待、保守をふくめた広範な人々との共同が広がっている。

 都市部においては、福祉と暮らしを切り捨てる地方自治破壊の悪政にくわえ、「都市再生」を名目にした大型開発が、日本共産党をのぞく「オール与党」体制でおこなわれ、その害悪がうきぼりになるもとで、わが党への新しい期待が広がっている。

 このような状況のもとで住民の利益をまもり、「住民が主人公」の地方政治をきずくうえで、日本共産党地方議員(団)が地方政治ではたす役割は、いよいよ重要になっている。地方党機関は、その地域・地方で日本共産党を代表して、地方政治をめぐる新たな情勢に対応した活動を展開する。

 市町村合併がおこなわれた自治体では、地方議員がより広い地域で多くの任務をもって活動することになる。党機関は、地方議員と党支部がたがいに連携をつよめ、元議員の協力もえて、住民の利益を守る活動、強く大きな党の建設にとりくめるよう、積極的な指導と援助をおこなう。

 日本共産党の新たな前進の条件を生かし、当面する中間地方選挙で確実に勝利をつみかさねながら、二〇〇七年いっせい地方選挙では、「議席占有率」「議案提案権」「空白克服」という三つの目標で必ず前進をかちとる。

 とくに第四党にとどまっている道府県議、政令市議選において、現有議席の絶対確保と前進、県議空白六県の空白克服を重視する。そのためにも県政問題にたいするとりくみを日常的に強化することが大切である。連続してたたかわれる参議院選挙での政治目標と一体に得票目標を設定し、その実現に全力をつくす。

 いっせい地方選挙での前進、勝利をめざし、政治目標と予定候補者をただちに決定するとともに、統一選対、個別選対をいそいで確立し、「四つの原点」にもとづく系統的活動を強化する。

 すべての支部が、単位後援会を確立・拡大し、ニュースを届けて対話するなど、後援会員との日常的結びつきを強めるよう努力する。また、名簿と地図を整備、活用して、日常的・系統的に、党と予定候補者への支持を積み上げる。

 保守もふくむ無党派の人々との共同を広げ、日本共産党が与党の革新・民主の自治体を発展させるために力をつくす。

(2)参議院選挙の目標と方針について

 二〇〇七年におこなわれる参議院選挙を、国政選挙で本格的前進に転じる選挙と位置づけ、勝利のために全力をあげる。

 比例代表では五議席を「絶対確保議席」として、今度こそ、全党の結束した力で必ず獲得する。比例代表選挙での得票目標は、六百五十万以上(得票率10%以上)とする。これは総選挙の比例代表選挙比で約一・三倍以上となる。総選挙のとりくみでは、「全国は一つ」の立場で、執念をもって比例代表で一票一票を積み上げるとりくみの積極的教訓が生まれたが、それを全面的に生かし、「比例を軸に」の方針を発展させる。

 比例選挙の訴え方は、これまでの二回の非拘束名簿式の選挙戦の教訓を生かし、「政党名での投票」を訴えることを基本にする。「絶対確保議席」の五人の比例候補者は、地域割りをおこなって候補者活動にとりくむ。担当地域の党組織は、五人全員の勝利とともに、各候補者の当選に責任をはたす。

 選挙区選挙では、全選挙区に候補者を擁立してたたかい、現職区である東京での議席の絶対確保とともに、二〇〇四年選挙で議席を失った神奈川、埼玉、愛知、京都、大阪、兵庫での議席奪還をめざす。これらの選挙区では、比例五議席絶対確保とともに、選挙区選挙でも大幅に得票を増やして、議席を獲得するという二重の任務をもって奮闘する。

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