◆(9)政党としての大道を歩む日本共産党――今日の政党状況のなかで

(続き)

 「構造改革」路線の推進のなかで、自民党は、一方で、伝統的な支持基盤だった業界団体などとの関係を自ら壊しつつあるが、他方で、巨大企業まるがかえの選挙を大規模に展開するなど、財界への癒着と依存を組織的にもいっそう強めている。

 ハ、国民に依拠した財政活動をすすめる党……企業・団体献金と、政党助成金は、国民主権と議会制民主主義、基本的人権を侵害するものであるとともに、政党を堕落させる二つの腐食源ともなっている。

 とくにこの間、その害悪は、いちじるしく肥大化した。日本経団連は、財界の身勝手な要求を列挙した「優先政策事項」を発表し、それにもとづいて自民・民主両党に「通信簿」をつけて献金をあっせんし、経団連役員企業からの献金が激増している。これは最悪の政党・政策買収というほかないものである。

 わが党以外のすべての党が、政党助成金だのみの党になっている。自民党は収入の59%、民主党は収入の84%が、政党助成金である。「官から民へ」をとなえながら、政党の収入の大半を税金にたよる「国営政党」というべき存在に身を落としていることを、これらの政党はどう説明するのか。

 自民・民主両党の企業・団体献金、政党助成金だのみの体質は、個人献金が極端に少ないことにもしめされている。二〇〇四年に各党が政党本部として集めた個人献金の額をみると、日本共産党が十一億二千二百十万円であるのにたいして、自民党は三億二千九百万円(総収入にしめる割合は1・25%)、民主党にいたってはわずかに三十六万八千円(同0・0026%)にすぎない。企業・団体献金と政党助成金は、国民に財政的な根をもたない政党へと堕落させる役割をはたしている。

 日本共産党は、企業・団体献金も政党助成金も受け取らず、財政のすべてを国民に依拠する清潔な姿勢をつらぬいている。新しく完成した党本部も、多くの支持者と党員のみなさんの募金に支えられてつくられたものだった。財政活動には苦労や困難も多いが、国民に依拠した財政活動は、財界の横暴勝手と正面からたちむかう力の源泉となっている。それは、党と国民との結びつきを財政の面からも強め、わが党の発展の大きな生命力となっている。

 ニ、戦前・戦後の一貫した歴史をもつ党……日本共産党は、戦前・戦後の八十三年の歴史において、国民の利益をまもる立場をつらぬき、平和と民主主義をまもる立場をつらぬいた歴史をもっている。わが党は、『日本共産党の八十年』で、わが党の先駆的で不屈の歴史を明らかにするとともに、誤りや制約にたいしては自己分析性を発揮するという精神で、一貫した歴史を明らかにしている。

 自民党や民主党のなかには、“靖国史観”を公然と語る政治家がいまなお一つの流れをなしているが、その根源には政友会、民政党、社会大衆党など、侵略戦争を推進した政党が、戦後、名前だけ変えて、日本の政治の中枢にすわりつづけたという、戦前の政治とのあしき継続性がよこたわっている。侵略戦争と植民地支配に命がけで反対をつらぬいた戦前史を、誇りをもって語れるのは日本共産党だけである。

 戦後、自民党政治にたいする一貫した対決者としての立場をつらぬいた政党も、日本共産党だけである。一九九三年以降の政党の離合集散の歴史をみれば、わが党以外のすべての政治潮流が、自民党政治の加担者であるか、加担者であった歴史をかかえている。わが党は総選挙で「たしかな野党」をかかげたが、それは戦前・戦後の歴史の裏づけをもったものである。

 ホ、自主独立の立場で国際連帯・交流をすすめる党……日本共産党は、一九五八年の第七回党大会で「五〇年問題」を解決し、「自主独立」の立場をうちたて、相手が、アメリカであれ、旧ソ連であれ、中国・毛沢東派であれ、北朝鮮であれ、どんな外国の干渉・横暴にも屈せず、果敢にたたかい、日本の主権と自主性を擁護する立場をつらぬいてきた。

 自主独立の立場は、わが党が、平和と社会進歩のために、国際連帯と交流を発展させるうえでのたしかな土台となっている。それは、わが党が、事実にそくして世界の動向を分析し国際政策をうちたてるうえでも、科学的社会主義の理論を現代的に発展させるうえでも、重要な足場となっている。

 他の政党の外交をみると、大国に迎合する傾向、自主的立場の弱さが共通している。そうした自主性の弱さと欠如は、自民、民主、公明などの諸党が、今日の異常なアメリカいいなりの政治を、異常と感じないということに、もっとも集中的にあらわれている。

 日本共産党は、政党としての大道を堂々と歩む党である。その値打ちは、今日の政党状況のなかで、とりわけきわだっている。その姿に、自信と誇りをもち、多くの国民にそれを語り広げよう。

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