◆(10)「たしかな野党」の責任をはたし、憲法改悪を許さず、日本改革の方針を大いに語る

 二〇〇七年のいっせい地方選挙、参議院選挙、きたるべき総選挙にむけて、わが党は、「たしかな野党」の責任をはたし、日本改革の方針を広く国民に語る活動を大いにつよめる。

 (1) 「たしかな野党」としての責任をはたす。総選挙で公約した「たしかな野党」の三つの仕事――(一)間違った政治に反対する、(二)国民の要求実現のために奮闘する、(三)世界の舞台で野党外交を展開する――にとりくむ。

 そのなかで庶民大増税に反対するたたかい、憲法改悪を許さないたたかい、基地強化反対・撤去をめざすたたかいで、国会闘争と結合して国民的運動をきずいていくことは、「たしかな野党」としての直面する重大な任務である。

 イ、庶民大増税に反対するたたかい……この問題が、今後数年間の国政の大問題となることは必至である。すでに政府・与党は、所得税の定率減税の廃止にふみだし、二〇〇七年度には消費税引き上げのための法案を国会で成立させるスケジュールを明らかにしている。またそれと並行して、所得税の控除見直しによる大増税も実施に移されようとしている。民主党も、「年金目的」という名目での消費税引き上げ、所得税の控除見直しによる増税を打ち出し、同じレールの上で増税を競い合う姿勢を鮮明にしている。

 この動きにたいして、社会的反撃の国民的大運動をおこすことは、急務である。すべての党支部が、職場・地域・学園で、町内会、商店会、労働組合、中小零細企業団体などと広く共同して、懇談会・学習会にとりくむなど、草の根から増税反対の大きな運動をつくりあげていくことをよびかける。そのさい、すでに庶民増税反対で運動の先頭にたっている消費税廃止各界連絡会、消費税をなくす会の組織と活動をつよめ、共同して運動を発展させていくことを重視する。

 二〇〇六年に政府が強行しようとしている医療改悪、生活保護や就学援助の切り捨てを許さず、社会保障改悪に反対するたたかいを、関係諸団体との対話や協力を広げながら大きく前進させる。

 ロ、憲法改悪を許さないたたかい……改憲勢力が、憲法改定の具体案づくりを競い合うという新たな重大な局面が生まれている。

 自民党が、二〇〇五年十一月の結党五十年の党大会で採択した「新憲法草案」は、憲法前文から侵略戦争への反省などを削除するとともに、第九条二項を削除し、「自衛軍の保持」を明記し、その任務として「国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動」を規定し、海外での武力行使に公然と道を開くものとなっている。「公益及び公の秩序」の名で、基本的人権を制約する条項が盛り込まれていることは、立憲主義の根本を否定するものである。さらに、国会による憲法改正の発議の要件を、現行の衆参両院での三分の二以上の賛成から、「各議院の総議員の過半数」の賛成に緩和するとしているのも、いっそうの憲法改悪への道を容易にするものとして重大である。

 民主党が発表した「憲法提言」も、「国連憲章上の『制約された自衛権』について明確にする」、「国連の安全保障活動を明確に位置づける」として、集団的自衛権の行使、国連多国籍軍への参加などの形で、海外での武力行使に道を開くものとなっている。

 米国からの改憲圧力が一段と強まるとともに、日本経団連が憲法改定の提言を発表するなど公然と旗ふりを始めている。

 憲法改悪を許さない運動をいま大きく発展させ、文字どおりの国民的多数派を結集する運動への成長をかちとることが、つよくもとめられている。

 日本の良心を代表する各界の著名人のよびかけではじまった「九条の会」は、結成から一年半をへて、全国の地域、職場、学園、分野で、四千をこえる草の根の「会」が結成されるなど、めざましい発展をとげつつある。わが党は、この運動が、立場の違いをこえて広く発展するように、その一翼をになって積極的役割をはたす。

 同時に、中央と、全国各地につくられた、憲法改悪反対の「共同センター」や民主団体との連携を強めることに力をつくす。改憲勢力の「論理」を打ち破り、憲法擁護闘争の大義と展望を明らかにするために、党独自の積極的役割を発揮して奮闘する。国際テロリズムを賛美する集団による妨害を許さないことは、憲法擁護闘争が、国民的・国際的大義をもって発展するうえでも重要である。憲法改定のための国民投票法案の強行を許さないたたかいにとりくむことは、直面する重要な課題である。

 憲法をめぐるたたかいは、二一世紀の日本の進路を左右するばかりでなく、世界とアジアの平和秩序にもかかわる歴史的闘争である。日本共産党は、反戦・平和の一貫した歴史をもつ党として、憲法改悪反対の一点でのゆるぎない国民的多数派を結集するために、党の存在意義をかけて総力をあげてたたかう。

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