◆(9)政党としての大道を歩む日本共産党――今日の政党状況のなかで

 総選挙後に生まれた政党状況の特徴は、一方で、議席で多数をえた小泉・自公政権が、国民の暮らしを壊し、平和を壊す反動的暴走を強め、他方で、議席を大きく減らした民主党が、同じ流れのなかで「改革競争」と称して暴走を競い合うという状況が生まれていることである。「二大政党制づくり」の本質が、日米安保条約堅持、憲法九条改定、庶民大増税、社会保障切り捨てなど、国の基本政策で同じ道を歩む「オール与党化」にあることが、いよいよ明りょうになっている。自民・民主の「大連立」がたえず問題になっているが、政治の中身のうえでは、すでに両党は事実上の「大連立」状態にある。自民・民主のこうした動向と国民との矛盾は、いよいよ激しくならざるをえない。

 公明党は、小泉政権を与党としてささえ、児童手当の拡大とひきかえに、自民党がもとめる防衛庁の「省」への格上げと教育基本法改悪に応じることを了承するなど、その反国民性と党略性はいよいよきわだっている。

 こうしたもとで、政党としての大道を歩む日本共産党の値打ちが、浮き彫りになっている。日本共産党とは、どういう特質をもった党か。今日の政党状況とのかかわりで、つぎの諸点を、広く明らかにしていくことが大切である。

 イ、党の綱領を党活動の指針として大切にしている党……わが党の新しい綱領は、異常な対米従属と大企業中心政治の改革という、自民党政治の古い枠組みそのものを改革する、大きな展望と方策を明らかにしている。日本の政党のなかで、こうした根本的改革の綱領をもっている政党は、日本共産党以外にない。

 綱領にたいして、日本共産党ほど厳格な態度をとり、それをあらゆる日常の党活動の指針として重視し、その路線を豊かにする努力をおこなっている政党はない。たとえば、わが党は、総選挙で「野党としての公約」を打ち出したが、そこで打ち出したどの公約も綱領に裏づけられたものであり、熱い政治論戦の切り結びのなかで綱領を具体化したものである。

 自民党、民主党にも「綱領」「基本理念」などと銘打った文書があるが、そこにはどういう日本をめざすのかという展望はのべられておらず、抽象的なスローガンが並べられているだけであり、日常の党活動の実際の指針とされているわけでもない。自民党が一九五五年の結党時にきめた「綱領」「党の政綱」は、「自主独立の完成」「福祉国家の完成」「駐留外国軍隊の撤退に備える」など、自民党がめざす国のあり方を、この党なりにしめすものだったが、いまもちいている「綱領」(一九九五年決定、二〇〇五年改定)には、自民党がどういう国をめざすのかは何も書かれていない。民主党の「基本理念」は、自由党と合流する以前の一九九八年につくられたものがそのままにされており、現在はつかわれていないものである。

 自民党にせよ、民主党にせよ、どういう日本をめざすのかを明らかにした「綱領」をもたないでもやっていけるのは、これらの党が、異常な対米従属と大企業中心政治という、古い政治の枠組みのなかに安住し、それを変える展望をもたない政党であることをしめしている。

 ロ、支部を基礎に自前の組織をもち、草の根で国民とむすびつく党……二〇〇五年十二月末現在、日本共産党の地方議員は三千五百五十人、地方議員第一党であり、女性議員数でも第一党の位置を占め、草の根から住民の利益をまもるかけがえのない役割をはたしている。市町村合併による大幅な議員定数削減のもとでおこなわれた選挙でも健闘し、議席占有率でみると党地方議員総数でピーク(四千四百五十六人)だった二〇〇〇年の7・11%から、7・29%へと、わが党の比重を高めていることは重要である。

 その大きな基盤は、全国の津々浦々にきずかれた草の根の党組織にある。わが党は、四十万人をこえる党員、職場・地域・学園に二万四千の支部をもち、百六十四万人の「しんぶん赤旗」読者をもっている。

 全国で二千五十六の市区町村のうち二千二十七の市区町村(98・6%)で、わが党の支部と党員が、住民の利益をまもって活動している。この間、中越大震災、福岡県西方沖地震、各地での豪雨災害など、日本列島はあいつぐ自然災害に見舞われたが、どの災害にさいしても、みずから被害をこうむりながら、その苦難から住民をまもるために献身的に活動したのが、党支部と党員であった。草の根で国民と結びつき、国民の利益をまもる自前の組織をもっていることは、わが党の大きな誇りである。

 日本には草の根での自前の組織をもつ政党は他に存在しない。自民党は、業界団体や企業を、民主党は労働組合を、公明党は宗教組織を、党の組織の代役にさせている。これは政党のあり方として邪道であるだけでなく、政党支持のいかんにかかわらずつくられたはずの組織に、特定の政党を支持させることは、民主主義を破壊する行為といわなければならない。

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