党大会での討論

　中央委員会報告は、政権をになう力量をもった大衆的な政党へ発展をめざすこと、強力な議会勢力に発展することをよびかけ、衆院で百議席以上、参院で数十議席をもつことを提起しました。私はこの提起を血わき肉躍る思いで受けとめ、奈良県党組織の責任についてかみしめているところです。

「一人区でとる」というからには

　県党会議で、参院選は比例を軸にたたかい、選挙区では必勝区に名乗りを上げられるようにたたかうとの方針を提案しました（笑い）。これまでも「当選を期してたたかう」といってきましたが、心のかたすみにはなにか重しのようなものがありました。今度の方針で一点の曇りもなく「当選を期す」と胸を張っていいきれるようになった思いです。（笑い、拍手）

　奈良県の参院選挙区は一人区ですが、現在出馬表明しているのはわが党の山村幸穂候補だけです。現職をもつ自民党は公認を決められず、新進、社民も混乱、消滅の道をつきすすんでおり候補者どころではありません。（笑い）

　私は、他党がこんな状態だから勝てる選挙だと単純に考えているわけではありません（笑い）。「議席獲得をめざす」というからには、条件、根拠が奈良県なりにあると考えます。第一に総自民党化政治のもとでの日本共産党への期待と支持のひろがり、第二に昨年の総選挙と一連の地方選挙での躍進と到達がもたらした可能性、第三に党建設の諸課題の達成の可能性です。

　第一の問題では、奈良県でも、あらゆる分野・地域で、日本共産党が、希望ある未来を願う人々のかけがえのないよりどころとなっているという確信です。業者運動、労働運動、医療・福祉、環境を守るたたかいが、かつてなく発展しています。

　一月に県委員会が主催した世界遺産シンポジウムは「日本共産党がこんなことまで熱心なのか」と宗教界や学者・研究者、行政担当者など広範な人びとの共感と支持をよんでいます。こうした例は、ほんの一端にすぎません。

　第二の問題です。総選挙で奈良県の比例票は、九万八千票、得票率で一五％、有権者比八・八六％、自民党にたいする得票比は四二％でした。地方選挙では、この三年間で九議席増やし、現在六十九人で他党と比べダントツの一位。議席占有率は八・九％、全国順位で七位です。奈良県で議席獲得に挑まなければ全国的な躍進はかちとれないと思うのです。（笑い、拍手）

　すぐには及ばないかもしれませんが（爆笑）、決議案が指摘するように今後の躍進いかんで、奈良県でも議席を獲得しうるところに到達することが重要だと思うのです。

「四つの基準」ですべての党員へ

　そこで決定的な問題は、政権をになうにふさわしい日本共産党の量的、質的な成長をかちとることです。奈良県党組織にとって重要な課題は、党員の拡大を飛躍的に前進させることです。

　第二十回党大会後、新入党者を迎えた支部は六七％、党員数は大会比で一一五％となっています。倍加を達成した支部は、昨日、寅さんの心情とわが党の精神の関連を深く解明した（笑い）奈良市三碓（みつがらす）支部など十四支部、新しく発足した支部は五つです。これらは、貴重な成果で奈良県党組織に新たな活気、確信をもたらしていますが、重要なことは目標、可能性からみて初歩的なものにすぎないことです。「底上げ県脱出」にはまだ四百人もたりません。一割の党員の実現には三倍化が必要です。しかし、奮闘いかんでは党員拡大は大いに可能性があります。

　こうした党をきずくためには、すべての党員が党生活の四基準にもとづいて、確信をもって活動に参加できるようにすることです。そのためにも奈良県党組織の重大な弱点となっている思想建設の著しい立ち遅れを克服し、前進できるように全力をあげる決意です。（拍手）

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