党大会での討論
日本共産党第21回大会
民主村政与党として重大な責務にこたえる
長野 広瀬 進代議員
1997年9月26日付「しんぶん赤旗」
長野県栄村の党組織が、村政と地域にどのような役割を担っているかということからお話しします。党村議は、十六人中二人で議案提出権をもっています。農業委員会、森林組合の会長や理事長など、村の主な役職を党が担っている村ですが、九年前に民主村政が誕生しました。私も当初、やりなれた野党から、ある日突然与党になって大変あわてました。(笑い)
自民党の悪政から住民守る姿勢で
この「住民が主人公」の民主村政の実績をいくつか報告します。
不破委員長の報告は、「ルールなき資本主義」による国民生活への抑圧、とくに医療制度や社会保障の改悪は、いま国民生活と自民党政治との矛盾の集中点になりつつあると強調して、自民党政治が「国民の生活をまもる最小限の責任さえ、放棄しようとしている」と批判しています。栄村の民主村政は、この自民党政治に抗して、例えば乳幼児医療無料化を小学校入学前まで実施しています。さらに、七十歳以上のお年寄りへの入院見舞い金制度を実施し、お年寄りの自己負担分の二五%を見舞金として支給しています。
さらに、農業振興では、いま公共事業の見直しが叫ばれていますが、自民党政府の、農民の立場を考えない、ゼネコンの利益だけが保障される、この逆立ちしたしくみを改めなければ農民も、地域農業も守れない、この見地から栄村単独の「田直し事業」の実施となりました。
いま全国で減反が強制されていますが、栄村では一度も水田の強制的な減反の割り当てをしていません。 「住民が主人公」とする村政は、住民の自主的活動を保障し積極的に援助します。去年は全国絵手紙展を開きましたが、今年は長野オリンピックということで、二月から世界絵手紙展を開きます。「栄村の自然と文化を愛する会」の活動などとともに、無党派層との共同をすすめるうえで大いに有効だと思います。
これらの施策が、例えば私どもの近隣の市町村では、なかなか実現できない、それはなぜか。例えば、自治体が農民の立場で独自の基盤整備事業をしようとしても、それと同じ手で減反を強制したのでは、つじつまが合わないではありませんか。結局それは、予算とか、実務的な制度上の問題ではなく、「住民こそ主人公」という立場、自民党の悪政から住民を守るという確固とした政治姿勢がなければ実現できないということです。そこに、わが党が与党の民主的自治体の真骨頂(拍手)があるのです。
民主村政支える党建設
栄村の党建設がどうなっているか。一番の核心に入ります。(笑い)
決議案では、「得票の一割の党員と五割の読者」を今世紀中に、と強調しています。栄村では党員が得票比一〇・一%、読者が六五%です(拍手)。この限りでは、今世紀の目標は達成したわけですが(笑い)、しかし党が与党の革新・民主の自治体の重大な責務が強調されています。この提起にこたえていっそうがんばるつもりです。
「田直し事業」がテレビで放映される前に、農水省の役人がわざわざ村にきて、村長に圧力をかけました。それを目の当たりにし、不破委員長報告にあるように、「二十一世紀の早い時期に、民主的改革を実行する民主的政権をめざすべき国民的な必然性がある」という指摘を身のひきしまる思いで受けとめました。栄村における民主村政の発展は、村民にとってもちろん大事なことですが、現実政治にとりくむ日本共産党と革新勢力の力量をはかるものとして全国的意義をもつという自覚でがんばります。(拍手)
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