党大会での討論
日本共産党第21回大会
スポーツ分野でも国民的共同の条件
中央 和食 昭夫代議員
1997年9月25日付「しんぶん赤旗」
先の通常国会でサッカーくじ法案は衆院では可決されたものの、参院は反対の世論の前に審議入りさえできず継続審議となり、六度目の阻止をすることができました。
サッカーくじ法案PTAも批判の声
日本PTA全国協議会は、子どもの健全な成長を守る立場から、「私たちがいままで取ってきた(反対の)姿勢は変わりません」との態度を明確にした文書をすべての参院議員に送りました。東京都の小学校PTA協議会の声明は「共産党を除く超党派のスポーツ議員連盟が、政策論議もないままで、『サッカーくじ』法案を提出したこと自体、戦前の大政翼賛政治と何ら変わりません」と「オール与党」の国民の願いを踏みつけにしたゴリ押しを厳しく批判しました。
スポーツ界のなかでも、スポーツの健全な発展を願う声が広がっています。プロ野球解説者の豊田泰光さんは、子どもと教育・文化を守る国民会議がおこなった決起集会に「サッカーくじは文化としてのスポーツを冒とくするもの」とメッセージを寄せ、スポーツ界の良識の広がりを示しました。
衆院文教委員会は五月二十三日、二時間五十分という短時間で審議を打ち切り、採決を強行しました。推進派議員の質問は、質問に立った自民党の委員がみずから「八百長質問みたいで大変恐縮ですが」(笑い)というほどでした。このあとの総括集会には、委員会を傍聴されていた東京主婦連の方がたも期せずして合流され「共産党だけが私たちの立場に立ってがんばっていた。その他の党はまったく許せない。参院選挙では絶対投票しないようみんなに伝えたい」と連帯のあいさつをされました。
私は、サッカーくじ法案反対の運動を通しても、広範な無党派の方がたのなかに、国民の立場に立った正論を貫く日本共産党への信頼感が高まり、日本共産党への「誤解と偏見の壁」が大きく崩れつつあることを実感させられました。
こうした運動の広がりの背景には、子どもの成長とスポーツをめぐる深刻な状況をなんとかしなければならないという国民の切実な要求があります。
ギャンブル好きの人とも対話可能
わが国のスポーツ予算はわずか百七十億円です。先進国では常識となっているナショナルトレーニングセンターさえない状況です。サッカーくじ法案は、こうしたスポーツ界の貧しい現状のなかで、スポーツ関係者の切実な願いを逆手にとり、ギャンブルのテラ銭にスポーツの振興をゆだねようとするものです。
わが国のギャンブルの売り上げは、ギャンブル先進国といわれるイギリスの十五倍で三十三兆五千億円です。わが国はダントツのギャンブル大国なのです。こうしたなかで、プロサッカーJリーグを公営ギャンブルにすることは、いま以上にギャンブルの低年齢化を招くことは明白です。
「これ以上青少年をギャンブルにまきこまないでほしい」「子どもの成長に新たな障害をもちこまないで」との願いは、たとえギャンブル、競馬大好きの人をも含めて共同できる願いであり、政党支持や思想信条の違いをこえて対話と共同を大きく広げることを可能とする根拠です。
スポーツの問題でこうした国民的な共同がつくられることは、わが国のスポーツの歴史において画期的なことであり、そこに決議案が解明した今日の情勢の激変がみごとに現れていると思います。
最後に、こうした運動の先頭に立ってがんばっている新日本スポーツ連盟を激励し、より幅広い国民との共同を促進する立場から、決議案第五章第十七項の(1)の部分に、「新日本スポーツ連盟」を追加明記していただくよう要望します。(拍手)
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