党大会での討論

日本共産党第21回大会

宿命でない海上基地反対で保守層にもひろがる党への共感

1997年9月25日付「しんぶん赤旗」


 私は沖縄・北部地区委員長として、この間の海上ヘリポート基地建設に反対するたたかいにふれながら、中央委員会報告、とりわけ日米安保の大改悪に反対するたたかいが必ず国民の多数派になること、民主的政権樹立には国民的必然性があることをつかむ立場から討論に参加します。

 一昨年の一〇・二一県民大会がかかげた四項目要求、(1)米軍基地の整理縮小(2)地位協定の見直し(3)米軍犯罪の根絶(4)被害者への完全補償は、県民が人間らしく生きていくための最小限の要求でした。これにたいし、古くなった普天間基地のかわりに最新鋭の海上基地をつくれという自民党には、主権回復の思いも軍国主義への反省もありません。

党の影響力の弱い地域で対話集会

 昨年十二月のSACO最終報告は、普天間基地の移設先を名護市の東海岸と特定しました。久間防衛庁長官は「普天間の移設先は名護市が有力。比較的反対運動が少ない所」と発言しました。名護市に事務所を構える北部地区委員会の存在意義を否定するこの発言は、私たちの怒りに火をつけました。(拍手

 東海岸は金武町、宜野座村、東村、国頭村と党議席が空白、名護市に二人の市議をもっているものの、党の影響力が少ないところでした。辺野古区は基地との共存をすすめてきた保守の集落、反共偏見が根深いところでした。私たちはふところに飛び込んでみようと、元日からチラシを一軒一軒に入れ、「ヘリポート問題を考える対話集会」を開催しました。

 一回目は十三人しか集まりませんでした。二回目は五十人も集まりました。三回目は八十人であふれました。八十三歳のおばあちゃんが立ち上がり、「青年たち立たんか。上と下と力を合わせて平島を守らんか」と叫びました。青年たちが立ち「みんな心では反対だと思う。日本共産党の集会は初めてだから入り口をいったりきたりして、自分も入るのに勇気がいった。でも来てよかった。市長も議会も教えてくれなかったことを教えてくれた。共産党さん、ありがとう」と発言しました。

 対話集会と海上調査に参加した人を中心にヘリポート阻止協議会=命を守る会が結成されました。地元の新聞は、「基地撤去に燃える共産党北部地区委員会は住民の声を吸い上げるために対話集会をくり返している」と書き、地元の青年たちは、「共産党は学習資料をもってきた。社民党はウイスキーをもってきた」(笑い)とやゆしました。

 六月に二十一団体で結成された市民推進協は海上ヘリポート基地建設の是非を市民投票で決めようと条例制定請求の署名運動を展開し、法定数の二十三倍、一万七千五百三十九人(イイナゴサンキュー)、過半数の署名が集まりました。政府の圧力で事前調査容認の態度に後退した名護市長も、署名を「重く受け止める」という態度になり、二十五日の定例議会に市長の意見をつけて提案するはこびです。

保守の大物長老も急速に変化して

 このたたかいのなかで、党と他党派層、無党派層との対話・交流が広がりました。二十年間社会党の看板をかついできたある中心的な労組の書記長が「ヘリポート阻止のためには安保廃棄の共産党でなければだめ」と入党しました。五代の保守系議員を育てた元海軍の大物長老は「もう辺野古の議員は指定席ではない。共産党は二人といわず四人、五人出してくれ」と、地区委員長を上回る構えをみせています(笑い、拍手)。党への偏見、誤解の垣根をこえて急速に成長するこれらの姿は、民主的政権樹立の必然性を示しているのではないでしょうか。(拍手

 北部地区は小さい地区ながら日本共産党です。たたかいのなかで強い党をつくり、来年の参院選、いっせい選挙で躍進を勝ち取る決意を表明し、発言とします。(拍手


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