党大会での討論

日本共産党第21回大会

資本の卑劣さに怒り党に接近する労働者

1997年9月25日付「しんぶん赤旗」


いま職場で新たな労資一体の戦略

 愛知県豊田市にあるトヨタ自動車からきました。いま、労資一体となった新たな戦略がおこなわれています。特定政党支持を押しつける金集め団体「全ト(オールトヨタ)参政会」の結成、九五年に「新国際ビジネスプラン」、九六年に「ハーモニアスグロース」発表、「新労使宣言」の調印と、企業イデオロギーが再構築されています。

 新ビジネスプランの現状は、海外生産工場が二十四カ国三十九事業所に拡大、二〇〇一年に三百五十万台という目標です。国内雇用は九二年がピークで七万五千五百人いましたが、昨年は六万六千五百人と、九千人の人減らしが進んでいます。一方、海外雇用は九八年に六万七千五百二人まで拡大しようとしています。そのためのリストラ「合理化」を教育の徹底と人材育成で“革命”という表現をつかって「構造改革」を進めています。

 しかし、労資で打ち出すビジョンは、生活苦、労働苦であり、労働者の根本要求から大きくかけ離れています。手当削減による生活苦の増大、非人間的変則勤務、過密労働、年間三百六十時間と定めておきながら、三六協定違反者が五千五百六十八人もいる長時間・サービス残業のまん延、年間六十人をこえる在職死亡者など怒りと不安が増大しています。

 党委員会に手紙が届きました。「自分の将来を考えると日本共産党に託すしかないと思いペンをとりました」で始まり、「二十二時前に会社を出たときがありません。家族と会話をする時間もなく、何のために生きているのかわかりません。共産党さん助けて下さい」と結んでいました。

 また、ある労働者は不調で診療所で休んでいたところ、人が足りず現場から呼びつけられて仕事中に倒れ、半身不随になりました。この方は、労災申請が認められず、「納得いかない」と奥様と一緒に相談にこられました。涙を流して訴える姿に、同志も涙を流し資本の卑劣さに怒りがこみ上げてきました。

 それにたいし、労働組合は労働者の要求を実現するのでなく、選挙活動に力を入れ、組合員を守るより、企業を守ることを押しつけています。党の二十一世紀ビジョンを実現していくうえでも、労働組合を階級的民主的労働組合に変えていくことは、緊急の課題です。

トイレの反共落書きすっかり影ひそめ

 このことが党建設にも反映しています。ある労働者は、「二十年間あんたたちを見てきたが、よくやる。大したもんだ」と、入党のよびかけにたいして「おれで役に立つなら入ってやる」とこたえてくれました。党に好意的でないと思っていた人です(笑い)。また、青年労働者は、決議案の二十一世紀ビジョンこそ労働者にとって現状打開をもとめて生きる方向だとの訴えに入党を決意しました。党勢拡大の成功例は、新しい層へ新しい発想で大胆に働きかけ、成果をかちとっています。

 トヨタの職場でも誤解と偏見の壁が低くなってきています。トイレでの反共落書きがすっかり影をひそめましたし(笑い)、上司も変わってきています。

 トヨタ党委員会も県と地区の協力のもと、初の試みとして、反共の労働組合であっても課題の一致点で、住専処理、九兆円増税反対運動の共同申し入れをおこなってきました。組合幹部からの「いよいよ政権をめざすようですね。政権とったら社会主義をめざすのですか」などの疑問にも答える懇談となりました。

 こうした心構えと行動は、「職場革新懇運動」にも反映し、労働法制の改悪問題、平和憲法と安保条約など学習を重ねています。

 来年の参院選挙での大躍進と、二年をきったいっせい地方選挙では、愛知県豊田市の企業城下町で議席奪還を必ず果たすことを決意します。ともにがんばりましょう。(拍手


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