日本共産党

2002年4月7日(日)「しんぶん赤旗」

日本共産党が発表した

食品安全確保法案

岩佐恵美参院議員に聞く 〈下〉

情報公開も明確に


 ――改正点のなかでも大きな特徴は、どこでしょうか。

 岩佐 現在の食品衛生法にない、安全を求める「消費者の権利」の確立、消費者のための「表示」という考え方をはっきりさせたことです。予防原則の明記、乳幼児、妊婦などへの配慮規定は、いままでにない考え方ですね。消費者参加、情報公開も法律ではっきりさせたことは、大きい改正点です。

 ――現在問題になっている原産地、期限表示の偽称に、具体的に対応できるのでしょうか。

 岩佐 食品の期限表示ですが、九五年に製造年月日表示が、「外圧」によって廃止され、賞味期限、消費期限、品質保持期限となりました。

 しかも、食品衛生法では消費期限と品質保持期限、JAS(日本農林規格)法では消費期限と賞味期限と分かれており、消費者にとっては何がなんだかわからないのが実態です。その上、消費期限などの表示は、個々の業者の判断で、個々の商品ごとに決めるため、製造年月日のような客観性がありません。業者が一方的に表示をつけかえても摘発しにくいと現場の検査官は嘆いています。

 この問題を国会の委員会で指摘したところ、厚生労働大臣は、両省に分かれている表示を一本化すること、表示方法の見直しを検討すると答弁しました。また、原産地表示の偽称事件などへの対応については食品衛生法の強化・見直しが必要と答弁し、法改正が必要と認めました。

 消費者の安全確保の権利を明確にし、消費者の知る権利としての表示を明記した日本共産党の改正案は、このような事態の解決に役立つと思います。

 ――最後に、各省庁の食品行政の一本化や、食品基本法制定などの構想がありますが、今回の日本共産党の食品衛生法の改正とは、どういう関係になるのでしょうか。

 岩佐 食品安全行政の強化のために、組織的な一本化、検査体制強化のために検査機能を独立させる、法律も食品基本法的なものが必要なのではなど、さまざまな議論があります。

 ただ、現状を改めるためには、食品衛生法やJAS法など個別法のどこにどういう問題があるのか、タテわりの弊害を具体的にどう正していったらいいのかなどをきちんと検討し、いま緊急に何が必要なのかを明らかにし、是正していくことが大事です。

 食の安全を守る法律は、いま食品衛生法しかありません。それがきちんと機能していないことが最大の問題なのですから、その解決のためにも、食品衛生法の改正は待ったなしの課題だと考えます。できるだけ早い機会に党の改正法案を国会に出したいと考えています。(おわり)


岩佐恵美参院議員に聞く〈上〉、 消費者の権利明確に

岩佐恵美参院議員に聞く〈中〉、 検査体制強化など改正

岩佐恵美参院議員に聞く〈下〉、 情報公開も明確に


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