日本共産党
総選挙にのぞむ日本共産党の政策【第2部】

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【第2部】2つの悪政にストップを ―― 消費税大増税・憲法改悪の計画をくいとめるよう、力をつくします

【第2部】2つの悪政にストップを ―― 消費税大増税・憲法改悪の計画をくいとめるよう、力をつくします

 自民党と財界勢力は、消費税大増税と憲法改悪という二つの大きな「計画」をたて、近い将来、実行に移すための“地ならし作戦”に乗り出しました。こんなとんでもないことを許したら、わが国の21世紀は、経済と国民のくらしの面でも、政治と外交の面でも、まったく「暗い世紀」になってしまいます。日本共産党は、このくわだてを阻止するために、多くの国民のみなさんと力をあわせます。

消費税の大増税は国民の新たな苦難の道

 いま、消費税の税率を2ケタに引き上げるという大合唱が、財界や政府・与党の間からわき起こり、大増税にむかっての暴走が始まろうとしています。日本経団連、経済同友会などが、数年後から税率を段階的に引き上げ、「18%」とか「19%」までにするという提言を次々に出し、財界が総出で、消費税大増税の音頭をとっています。これを受けて6月に出された政府税制調査会の答申は、「2ケタの税率に引き上げる必要もあろう」とし、税調の石会長は、「国民世論の形成には2、3年かかる。小泉首相は歳出カットなど引き上げの前提条件をこの3年間で満たしてもらいたい」とのべています。

 小泉首相が「任期中の3年間は増税しない」といっているのは、この財界や政府税調の増税案にそったものです。財界も、数年間かけて大増税への地ならしをし、そのために、消費税増税と法人税減税に賛成する政党には、中止していた経団連からの政治献金を再開するという作戦まで決めています。小泉「構造改革」で、さらに“痛み”を押しつけられたあとで、待っているのは消費税大増税というのでは、国民は踏んだりけったりではありませんか。いま、国民が黙っていたら、この方向が既成事実にされかねません。

 消費税大増税は、庶民のくらし、中小業者の営業、景気と経済を破壊する……消費税は、所得が少ない人ほど重い負担になる最悪の不公平税制です。税率が高くなればなるほど不公平は拡大し、庶民に重い負担になります。いま、貯蓄ゼロという世帯が全世帯数の2割にものぼるほど所得・資産の格差は拡大しており、大増税は、庶民のくらしを直撃し、ひいては社会に新たな荒廃をもたらします。

 消費税は、価格に転嫁しきれず、身銭をきって納税している多くの中小零細業者などにとっては営業破壊税です。大増税は、不況とし烈な価格競争のなかで必死にがんばっている中小零細業者を倒産・経営難に追い込んでしまいます。

 さらに、消費税増税が、景気と経済に大打撃となることは、6年前の橋本内閣の増税が、上向きになりかけていた日本経済を「戦後最悪の大不況」にたたき落とした経験からも明らかです。長い不況で国民のくらしも日本経済も疲弊しきっているときに、大増税計画を持ち出すことなど言語道断です。

 “社会保障の財源”どころか“大企業減税の財源”……「消費税は社会保障の財源として必要」というのが、増税のための口実です。消費税導入のときも、5%への増税のときも、そういってきました。しかし、医療・年金などの社会保障制度は、拡充されるどころか改悪され続けてきたではありませんか。

 導入以来15年間の消費税の総額は136兆円にもなりますが、同じ時期に、法人3税(法人税・法人住民税・法人事業税)が131兆円も減りました。景気悪化のために法人税収が減収になったうえに、大企業のための減税が繰り返されたためです。国民からしぼり取った消費税は、社会保障財源になるどころか、大企業減税と不況による法人税などの減収で消えてしまったのです。

 日本経団連などは、「消費税の2ケタ化」とあわせて「法人税率の引き下げ」や「年金保険料の企業負担の廃止」などをもとめています。財界の本音は「社会保障のため」の消費税増税ではなく、大企業の負担を減らして、それを消費税で「穴埋め」することです。

 消費税の免税点引き下げに反対し、中止をもとめる……来年4月から消費税の免税点が1000万円まで引き下げられ、年間売り上げ3000万円以下の中小零細業者も消費税を納めなければならないことになりました。売値に転嫁できない中小零細業者にとって、消費税は「益税」どころか「損税」です。

 中小企業庁の調査では、売り上げ3000万円以下の業者の52・3%、全国商工団体連合会の「8万事業所調査」では61・4%がほとんど転嫁できていません。いまでも、「仕入れ」にかかる消費税は身銭をきっているのに、納税分まで身銭をきらされたら「とても商売をつづけられない」と悲鳴があがっています。

 免税点の引き下げは、弱いものいじめによって「公平さ」をよそおい、消費税大増税を強行する、そのための地ならしにほかなりません。

 消費税大増税の計画に反対する……消費税は、所得の少ない人にほど重くのしかかります。「所得の多いものは多く、少ないものは少なく」、「生きていくために必要な生計費には税をかけない」という近代的な税の大原則に反した「最悪の不公平税制」です。日本共産党は、いっかんして消費税の廃止を主張してきました。ましてや、この悪税を2ケタに増税することなど、絶対に認めることはできません。日本共産党は、消費税大増税の計画につよく反対するものです。

憲法改悪に反対し、現行憲法をまもる

 小泉首相は、自民党の結党50周年にあたる2005年11月までに憲法「改正」案をまとめるよう指示し、それ以前にも、改憲のために必要な「国民投票法」を制定すると明言しました。ときの首相が、改憲のための具体的な日程や段取りを指示することは、憲法制定以来はじめてのことです。

 自民党の改憲のねらいははっきりしています。これまで、「戦争はしない、軍隊はもたない」と決めた9条の解釈をねじ曲げて、“自衛隊は軍隊ではない”“自衛隊は海外に行くが、戦争行為はやらない”といいわけをしてきましたが、もう、それだけではアメリカの注文に応じきれなくなったからです。9条そのものを変えて、海外で気がねなしに戦争ができるようにする――ここにいちばんのねらいがあります。

 日本共産党は、現憲法のすべての条項を厳格にまもり、とりわけ平和的・民主的条項を完全実施することを要求しています。いまの憲法は――主権在民、戦争の放棄、国民の基本的人権、国権の最高機関としての国会の地位、地方自治――という大事な原則に立っており、この原則を政治・経済・外交・社会のすべての分野で生かす立場から、憲法改悪にきっぱり反対します。

 とりわけ憲法9条は、日本国民が世界にほこる「平和の宝」です。アメリカの「一国覇権主義」の横暴勝手から国連の「平和のルール」をまもるうえでも、日本をアジアと世界の平和に貢献する国にするためにも、憲法9条の役割はますます重要になっています。「海外派兵国家」の道をひた走る小泉内閣の暴挙に、アジアをはじめとする世界中の世論が、かつての日本軍国主義による侵略戦争・植民地支配と重ね合わせて、「日本は、戦争をしないと誓った自国の憲法に反する道を歩んでいる」と痛烈に批判しています。

 日本共産党は、戦前の侵略戦争と植民地支配に命がけで反対をつらぬいた日本で唯一の政党です。こうした歴史と伝統をもつ党として、憲法改悪の計画を中止させるために全力をつくします。

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