市町村合併、地方財政「改革」の焦点は?  


Q8 法定協議会が設置されました。もう合併するしかないのでしょうか。

A 合併が決まったわけではありません。合併の是非も議論の対象であり、白紙になることもあります。

 法定の合併協議会は、「市町村の合併に関する協議を行う協議会」(合併特例法第三条一項)と規定されています。政府・総務省は、これを「合併を行うこと自体の可否もふくめて合併に関するあらゆる事項の協議を行う組織」と説明しています(『市町村合併ハンドブック』など)。ですから、「法定協議会の設置イコール合併」ではありません。

 同時に、法定協議会が設置されると、合併を前提にしたような運営、協議がすすめられる場合も少なくありません。ですから、その地域の合併に賛成できない場合は、「合併の是非も議論する場だから」といって、法定協議会の設置に安易に賛成するのは避けるべきでしょう。

 しかし、法定協議会が設置されたところで、「もう合併だ」とあきらめる必要はまったくありません。「そもそも合併を行うべきか否かの協議」もすることが「望ましい」と総務省もいっています(『逐条解説 市町村合併特例法』)。

 実際、法定協議会ができても、市町村の間の矛盾が噴き出して、白紙・解散に至っている例も増えています。

 そうしたところでは法定協議会で議論が始まると、合併したらいまの市町村の住民にとってはどういう影響があるのかが具体的になり、協議会の委員や住民のなかに新たな不安が出てきています。

 新しい市の庁舎をどこにするのか、名前をどうするのか、建設計画では何をどこにつくるのか、住民サービスや公共料金などの負担はどうするのか、などは住民のくらしと地域の将来に大きくかかわるだけに、白紙・解散になる要因になっています。

 法定協議会がつくられても、合併の是非そのものの協議、会議と議事録の公開、住民への周知と意見の反映、住民投票をはじめ住民の意思での最終的判断などをもとめることが大切です。また、住民に合併についての情報と考え方を知らせたり、シンポジウムや懇談会を開くなど、住民の世論を広げることも大切でしょう。


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