市町村合併、地方財政「改革」の焦点は?  


Q12 合併特例債は、何にでも使えるのですか。

A 「合併に役立つ建設事業」(公共事業)が主な対象です。

 いままでの地方債と比べて相当幅広く使えるのは事実です。しかし、「何にでも使える」というものではありません。

 ある自治体では、「一番大変なのは、これまでの大きな借金だから、その返済に使おう」という議論があったそうですが、それは無理です。

 合併特例法(第十一条の二)では、大きく分けて二つの分野で対象を決めています。一つは建設事業で、もう一つは地域振興のソフト事業(イベントなど)のための基金の積立です。いずれも合併から十年間に限って、「市町村建設計画に基づいて行う」もの、「合併に伴い特に必要と認められるもの」との条件付です。

 このうち規模の大きいのは建設事業の特例債で、多くの場合十年間で数百億円になります。合併しない場合の一・三倍程度が目安です。一方、ソフト事業の基金は最大でも四〇億円と天井が決まっています。

 対象となる建設事業については、二つの規定があります。(1)合併市町村の一体性の速やかな確立を図るため又は均衡ある発展に資するために行う公共的施設の整備事業、(2)合併市町村の建設を総合的かつ効果的に推進するために行う公共的施設の統合整備事業、となっています。

 具体的には、(1)旧市町村間の道路、橋、トンネル、住民が集う運動公園、介護施設の未整備地域への施設整備、文化施設と体育施設の地域バランスをとった整備など、(2)類似の公共施設の統合整備、などが例示されています。

 しかし、具体的な規定はないので、「市町村建設計画」に盛り込まれた事業ならば、その多くが該当することになりそうです。

 これまでの地域総合整備事業債もかなり幅広く活用できましたが、たとえば庁舎建設には適用できませんでした。合併特例債は庁舎の建設にも使えます。また、地方単独事業だけでなく、(1)国庫補助事業にかかわる地方負担額(いわゆる補助裏)、(2)公営企業(上水道事業、下水道事業、病院事業)について合併に伴う必要な経費にかかわる一般会計からの出資・補助、などにも充てることができるとされています。


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