日本共産党

2004年4月23日 衆議院 国土交通委員会 日本共産党 穀田恵二議員

道路関係四公団民営化関係法案 反対討論 大要

 日本共産党を代表し、道路関係四公団民営化関係法案、及び、民主党提出の高速道路事業改革基本法案に対する反対討論を行います。

 はじめに、道路関係四公団民営化関係法案について述べます。

小泉構造改革の目玉とされた「道路公団改革」は、はじめから「民営化先にありき」に終始し、国民の期待に背いて、無駄な高速道路建設をつづけ、巨額の借金を国民に負わせ、政官財の癒着を温存する仕組みをつくり上げたにすぎず、到底、「改革」といえるものではありません。

 反対する第一の理由は、高速道路の建設は新会社、借金は保有・債務返済機構にという上下分離の無責任体制によって、何の歯止めもなく、無駄な高速道路建設を継続する仕組みをつくるものであるからです。

 政府は、全総計画など高速道路整備計画を抜本的に見直すこともなく、環境や景観などへの影響も加味しない事業評価によって、道路建設の継続を決定しています。まさに「はじめに建設ありき」です。このもとで、「民営化すれば、無駄な道路は造らなくなる」など、全くの幻想です。民間会社が建設しなければ、国や地方の税金でつくる新直轄方式で、採算が合わなくても造り続ける仕組みもすでにつくられています。

 反対理由の第二は、45年で確実に債務返済できる保証がないばかりか、新会社の資金調達に、政府保証をつけることによって、建設資金の調達を容易にし、借金を増やし、新たな負担を国民に強いることになるからです。

 第三は、民営化されることで、情報開示や国民の監視が弱まり、天下りや談合、政治家介入など政官業の癒着が温存・助長されるからであります。

 民間会社になれば、情報公開法は適用されず、談合防止法や、入札適正化法も適用されません。道路公団3分割によって天下り先も増えることになります。国民にとって、ますます不透明になるのは目に見えています。

 次に、民主党提案の高速道路事業改革基本法についてです。

 本法案は、『料金無料化』を性急にすすめるために、現在、通行料金収入による道路公団の債務返済をやめて、新たに税金を投入して返済しようとするものであり、税金の使い方として、優先順位を間違っているので、賛成できません。

 最後に、現在の高速道路整備計画は廃止し、新たな高速道路建設は凍結・見直すこと、40兆円にのぼる債務は、計画的に返済し、料金を段階的引き下げ、将来の無料化にむかうこと、道路四公団などへの「天下り」を禁止して、ファミリー企業を廃止し、国民の管理・監視のもとで債務返済と維持・管理を運営する公共企業体として再生させること、この方向でこそ、真の改革であることを申し述べ、討論を終ります。


日本共産党/国の政治へ

もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

著作権:日本共産党中央委員会 
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp