日本共産党

2004年3月5日 衆議院 予算委員会 日本共産党 佐々木憲昭議員

2004年度予算案の編成替えを求める動議 趣旨弁明 大要

 私は、日本共産党を代表して、平成十六年度予算三案につき、政府がこれを撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、提案理由及び概要をご説明いたします。

 まず、撤回、編成替えを求める理由についてであります。

 政府は、「景気は着実に回復している」といいますが、経済の実態は、それとはほど遠いものであります。輸出大企業などの収益が急増しているだけで、肝心の国民生活は、勤労者世帯の年収が小泉内閣の三年間で四十三万円も落ち込んだことに見られるように、依然として深刻な事態となっています。国民の暮らしが元気にならなければ、日本経済が本当に回復に向かうことはできません。そのための対策こそが、政府の経済運営に求められているのであります。

 日本経済の回復を本当に実現するためには、公共事業や軍事費などの浪費を削り、年金をはじめとした社会保障や、雇用・中小企業・農業対策、国民の暮らしのために予算を重点的に配分することが必要です。

 以上の見地から、政府予算案は直ちに撤回して、抜本的に組み替えるべきであります。

 次に、組み替えの概要について述べます。

一、国会審議を通じて、政府のイラク派兵の根拠はすべて崩壊しました。自衛隊のイラク派兵を中止し、現地にいる自衛隊はただちに撤退させる。「イラク復興支援」は、国連を中心とした平和の枠組みの中で、有効な復興支援になるよう切り替える。

二、予算配分の重点を思い切って社会保障に移し年金をはじめ社会保障を予算の中心にすえる。@基礎年金国庫負担をただちに二分の一に引き上げ、安心できる年金制度にする。そのために必要な二・七兆円は道路特定財源の一般財源化などによって生み出す。A窓口負担を二割に引き下げるなど医療保険制度の改善をおこなう。B特別養護老人ホームの増設など介護サービスの拡充C生活保護など社会保障の改悪を中止し、拡充する。D庶民増税を中止する。

三、政府がすすめている地方財政の「三位一体改革」は、三年間で約四兆円もの国庫補助負担金を削減する第一歩であり、地方自治を破壊し、住民サービスの大幅な後退をもたらすものである。地方自治体の自主性を高め、住民の暮らし向上のための財源を拡充する改革を進めることが必要である。

四、“仕事がある”ということは、国民のくらしと社会の基盤であり、安定した雇用の確保は、もっとも重要な政治の使命である。大企業のリストラを野放しにし、派遣労働の規制緩和など不安定雇用を拡大する雇用政策をあらため、正規雇用を拡大する、実効ある雇用対策に切り替える。

五、期限を切って無理やり不良債権を処理するやり方をやめ、中小企業と地域経済を守る金融行政に転換する。銀行の国有化や不良債権の買取り、地域金融機関の合併促進などの資金源となる「七〇兆円の公的資金枠」は廃止する。
 中小企業の資金調達を円滑化するため、「資金繰り円滑化借換保証制度」を延長するとともに、借り手の使い勝手のいいものに改善し、地方自治体が同制度を継続できるよう支援する。

六、食料・農業、教育・子育て、中小企業、環境・エネルギー・新型鳥インフルエンザ・災害対策などの予算を拡充する。

七、公共事業や軍事費をはじめ、巨額の浪費の構造にはメスが入れられないままになっている。五・七兆円もの巨額に達している道路特定財源の一般財源化、採算性のない高速道路整備計画の廃止など浪費を改めれば、社会保障や暮らしの予算を拡充する財源を生み出すことは可能である。

 以上編成替えの概要を説明いたしました。詳細は、お手元に配布した動議をご参照願います。

 ご賛同をお願いして趣旨の説明といたします。


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