日本共産党

地方税法等「改正」案に対する反対討論

2003年3月6日 衆議院 総務委員会 日本共産党 矢島恒夫議員

 私は、日本共産党を代表して、地方税法等の一部を改正する法律案に対して反対の討論を行います。

 反対理由の第一は、改正案が、個人住民税の配偶者特別控除上乗せ分の廃止二千五百五十四億円、地方たばこ税千五十五億円など庶民増税であること、国税改正による地方消費税千二百六十億円の増税を含めると、地方税関係で五千億円の庶民増税となるものであり、政府の四兆円国民負担増政策の一環となっており、赤字企業の増税となる外形標準課税の導入とあわせて経済危機に拍車をかけるものとなるからです。

 とりわけ配偶者特別控除上乗せ分の廃止については、その対象者が約千二百万人に上り、国税における負担増と合わせると年間六万円の増税となるなど重大問題です。担税力のある大企業、資産家には減税する一方で、こうした庶民増税は、国民生活を一層痛めつけ、消費を冷え込ませ、景気回復に逆行するものであります。

 反対理由の第二は、法人事業税への一律の外形標準課税の導入が、これまで税負担のなかった赤字企業に課税するものであり、経済に悪影響をもたらすこととなるからです。

 この税制は、トヨタ自動車などもうけを上げている大企業に減税し、赤字企業に増税負担を求めるものであること、しかも、今回の制度設計においては、資本金一千億円以上の企業には資本割課税を段階的に圧縮するという、巨大企業、特に金融機関を優遇する措置をとっており、公平さに欠ける制度となっていること、今後、応益負担、受益者負担の名目で一億円以下の中小零細企業への導入への第一歩となるおそれのあることなど、問題点を持っています。

 反対理由の第三は、財政危機の進む地方自治体に、大企業優遇による地方税収の大幅減収を押しつけるものとなっているからです。

 改正案には、千百九十九億円の減収見込みとされる不動産取得税の大幅な軽減、三百五十四億円の減収見込みとされる特別土地保有税の凍結を初め、新増設に係る事業所税の廃止などが盛り込まれています。これらは、地方税収の大幅減収をもたらし、地方自治体の財政危機を一層深刻にするものであり、一方で土地流通の促進をねらう大企業を優遇する措置であり、認めることはできません。

 なお、事業所税については、現在、新増設分については二千平方メートル以下は非課税となっており、改正案による新増設分への課税廃止によって優遇されるのは大企業が大半であることも申し添えておきます。

 最後に、私どもは、二月の全国町村会・全国町村議長会の地方自治の確立を求める共同決議を受けとめ、憲法に基づく地方自治の発展を願う立場から、政府による強制的な市町村合併政策が地方自治を形骸化し、住民福祉の低下と地域の衰退をもたらしつつあることを指摘するとともに、政府の地方行財政政策の抜本的転換、国から地方への税財源の移譲と事務権限の移譲による真の地方自治権の拡大を政府に強く要求し、反対討論を終わります。(拍手)


このほかの討論 → 【討論一覧】(156通常国会 2003年 1/20〜)

総務委員会の質問と討論の一覧】 【3月6日(木)の質問一覧


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