預金保険法等一部改正法案及び金融機関等の組織再編成特別措置法案に反対する討論

池田幹幸議員 参議院 本会議 2002年12月11日

 私は、日本共産党を代表して、預金保険法等一部改正法案及び金融機関等の組織再編成特別措置法案に反対する討論を行います。

 小泉内閣は、金融再生プログラムと改革加速のための総合対応策、いわゆる総合デフレ対策を打ち出しました。本二法案はその中に位置付けられたものであります。

 総合デフレ対策では、不良債権処理の加速と産業再生を一体として取り組むとうたわれています。しかし、デフレと不況の下で、個人消費を拡大する景気対策なしに不良債権処理を加速すれば、中小企業の倒産と失業の増大を招き、不良債権を更に増大させることは、小泉内閣一年半の経験からも明らかであります。

 産業再生についても、審議の中で重大な問題点が浮き彫りにされました。産業再生法が施行されて三年、百六十を超える大企業の事業が認定され、減税の恩恵を受けながら、人員削減を柱とするリストラが進められてきましたが、ほとんどの企業が事業計画に掲げた目標を達成できないどころか、逆に業績を悪化させています。五つの大手金融グループなど、登録免許税減税で一億円以上の恩恵を受けた二十六事業を始め、総額四百億円を超える減税のもたらした結果が人減らしだけ、これでは税金を使って失業者を増やしたに等しいと言わなければなりません。

 ところが、政府は何の反省もなく、産業再生法を強化し、更に産業再生機構を創設するとしています。機構が企業の生き死にを判断し、再生させるというのでありますが、一体客観的な判断基準が作れるのか。政府が、産業・事業分野ごとにどれだけ過剰供給になっているか、数字で基準を示すというのでありますが、世界的規模に広がった市場で過剰供給を数値化することが可能なのか、それができたとしても世界の過剰供給のうち日本の分、個々の企業の分をどうやって数値化できるのか、こういった質問に政府は何ら答えることができないままであります。

 不良債権処理の加速と産業再生を一体として取り組むという総合デフレ対策の結果が惨めなものになることは、既にスタートラインに着く前から明らかであります。

 次に、二法案に対し、具体的に反対の理由を申し述べます。

 まず、預金保険法等の一部改正法案についてであります。

 政府は、不良債権処理の終了する二〇〇五年三月までペイオフの実施を延期し、預金者に不安を与えないようにすると言いますが、予期される結果は全く逆であります。

 深刻な不況と信用不安の下で、現在、ペイオフを実施できる条件にないことは明白であり、延期措置は当然であります。しかし、一方において不良債権の処理を加速するよう金融機関に迫りながら、ペイオフ解禁の期限を切ることは、解禁をてこに金融機関の整理、淘汰を図ってきたこの一年間の誤った施策を繰り返すことを意味しており、むしろ預金者の不安を増幅させるものであり、取ってはならない愚策であります。預金全額保護措置の解除は、個人消費を中心とする需要の拡大による景気回復を大前提とすべきであります。

 次に、金融機関等の組織再編特別措置法案についてであります。

 本法案は、地域金融機関に対して収益力強化を求め、合併、再編を促すものです。

 地域金融機関、とりわけ信金、信組は地域経済や中小企業を支えることを本来の役割としている営利を目的としない金融機関であります。こうした金融機関に収益力強化を目的とした合併、再編を促すことは、それに伴う店舗削減やリストラによって、不況で苦しむ中小企業に追い打ちを掛けることとなり、ひいては収益力強化どころか地域金融機関の経営基盤を掘り崩すことになります。こうした金融行政を続けることは、金融システムそのものを弱体化させるものです。

 さらに本法案は、合併、再編で自己資本が低下する銀行に対して公的資金による資本増強を行おうとするものですが、このような誤った施策に対して税金投入の仕組みを作ることは到底認められないことであります。

 以上の理由から二法案に反対することを表明して、討論を終わります。(拍手)


* 討論は、通例、採決に際して、賛否の違う場合、各会派がその態度と理由などを述べます。
   特に、反対会派が、反対の理由、法案の問題点について述べます。

*委員会名、法案名等については、略称、通称等で記載している場合があります。


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