古物営業法「改正」案に対する反対討論

 吉川春子議員 参議院 内閣委員会 2002年11月19日

 

 私は、日本共産党を代表して、政府提出の古物営業法の一部改正案に反対の立場から討論を行います。

 本法案に反対する第一の理由は、今回の法改正によって、ネットオークション上の商品取引に関する個人情報が危険にさらされるからです。

 本法案は、ネットオークション業者に対し、古物売買の記録の作成及び保存を努力義務にするとともに、警察本部長等が盗品に関し必要な報告を求めることができるとしており、警察がネット取引に関する個人情報に深く関与する可能性が生まれます。憲法の保障する通信の秘密や個人情報保護はいかなる場合でも徹底されねばならず、侵害されないように慎重な検討が必要ですが、法律上その懸念は払拭されておりません。本法案は、盗品の流通防止のためという法益が安易に優先されており賛成できません。

 第二は、構成要件が極めて不明確であるという点です。

 本法案は、ネットオークションの場を提供する業者を古物競りあっせん業と呼ぶこととしていますが、インターネット上で古物取引の場を提供するにすぎない業者をあっせん業と見ることは、日本語の意味からも無理があります。業者も、自らを古物競り広告業とし、あっせんという文言を使うのは法技術的に稚拙であると強い拒否反応を示しています。警察庁自身も、あっせんという文言はインターネットオークションを表す言葉としては完璧ではないと、今年五月二十八日付けの業者あての文書で認めています。あいまいな文言を刑罰法規に適用することは罪刑法定主義に反するおそれがあります。また、業界の納得なしには盗品流通防止の実も上がらないと言わなければなりません。

 第三は、インターネットオークションでの盗品流通の実効性が乏しいのに、規制のみが掛かる点です。

 法案は、ネットオークション業者に盗品摘発のための様々な義務や努力義務を課していますが、業者は出品物を直接手にしないばかりか、品質も保証しないというシステムなので、盗品かどうか業者に判断させることはほとんど不可能です。実態としても、これまで業者によって盗品が発見された事例もゼロです。ネットオークションの盗品取引・流通防止の対策を検討してきた警察庁生活安全局長の私的諮問機関、セキュリティシステム研究会の昨年八月に出した結論は、業界の自主規制をまず行い、法規制については業界の自主努力の効果を見定めて検討すべしとしました。研究会の求める自主規制の効果を見定めないうちに法規制を打ち出してきたのは時期尚早と言わなくてはなりません。

 以上の理由で、本法案には反対であることを表明し、討論を終わります。


* 討論は、通例、採決に際して、賛否の違う場合、各会派がその態度と理由などを述べます。
   特に、反対会派が、反対の理由、法案の問題点について述べます。

*委員会名、法案名等については、略称、通称等で記載している場合があります。


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