「学校教育法の一部を改正する法律案」への反対討論

 石井郁子議員 衆議院 文部科学委員会 2002年11月8日

  私は日本共産党を代表して「学校教育法の一部を改正する法律案」に反対の討論をおこないます。

 本法案は「大学の学部等にかかわる認可事項の見直し」「法令違反状態の大学に対する是正措置の整備」「法科大学院を含む専門職大学院の創設」「認証評価制度の創設」など4つの重要な内容をもっています。法科大学院の創設をめぐっては法務委員会との連合審査が行われました。しかし、最も重要な内容である認証評価制度の創設については参考人招致すら行わず、採決がされようとしています。委員会の審議時間は5時間であり解明すべき多くの問題点が残されたことは指摘せざるを得ません。

 今回の認証評価制度は、真に政府から独立した第三者評価機関が自主的・自律的に行うというものではなく、文部科学大臣の認証を受けた評価機関をすべての大学に義務づけるものです。認証基準も細部にわたり、国の意向に沿った評価機関とならざるを得ません。

 わが国では、大学評価が始まったばかりであり、大学評価・学位授与機構による「平成12年度着手の大学の評価結果」は、国立大学協会が「深刻な懸念を持たざるを得ない」と指摘しているように評価の名に値しないものでした。そのような状況で全大学に評価を義務付けるのは、余りに拙速と言わざるを得ず、大きな混乱をもたらすとともに、わが国の大学の信用を失墜させかねないものです。

 しかも、「資源配分機関が評価結果を参考にすることも十分ありえる」というのでは、大学の生殺与奪を評価機関が握ることになりかねないもので、学問研究の自由、教育の創造的発展にとって深刻な影響を及ぼすものと言わざるをえません。

 認可事項の見直し、法令違反状態の大学に対する是正措置については妥当なものと言えます。また専門職大学院の創設について、その必要性を認めるものです。しかし、認証評価制度の創設はこれまで述べてきたように評価の名のもとにこれまで以上に大学を政府の管理統制の下に置き、大学をランク付けし、大学の選別・淘汰につながるもので到底認めることはできません。したがって本法案に反対するものです。以上で討論を終わります。


* 討論は、通例、採決に際して、賛否の違う場合、各会派がその態度と理由などを述べます。
   特に、反対会派が、反対の理由、法案の問題点について述べます。

*委員会名、法案名等については、略称、通称等で記載している場合があります。


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