東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法案起草に関する意見を表明 衆議院 災害対策特別委員会 塩川鉄也議員 2002年7月16日

 日本共産党の塩川鉄也です。
 東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法案起草に関して、意見を表明します。
 我が国は、一九九三年の北海道南西沖地震や一九八三年の日本海中部地震など日本列島及びその周辺で発生したものだけでなく、一九六〇年のチリ地震のように、外国の沿岸で発生した津波によっても大きな被害を繰り返し受けてきました。観測、研究体制の強化を初め、行政と地域住民や事業者が一体となった避難体制の拡充など、津波による被害を減らすためのハード、ソフト両面からの対策の強化は、東南海・南海地震の被害が想定されている地域に限らず、海岸に接する日本列島すべての地域にとって緊急の課題と言えます。
 敏速な避難こそが究極の津波防災と言われるように、本法が津波対策を抜本的に強化する契機となることを期待したいと思います。
 その上で、東南海・南海地震を初め全国の地震・津波対策を進めるため、以下の点を強化することを強く求めたいと思います。
 第一は、科学的、全面的な被害想定を対策の前提とすることです。
 夏には各地の海岸にあふれる海水浴客、都市部では、大型船が陸上に乗り上げたり、地下街が水没するなどの危険が指摘されているほか、直前までの降雨で緩んだ斜面が地震で崩壊したため津波から逃げられず犠牲が拡大した過去の例もあります。
 第二は、避難計画は現状に合った、実効あるものにすることが必要だということです。
 海水浴客を収容しているのは、主に個人経営の海の家と言われる施設です。海に入っている観光客を含め、実効ある避難計画にするためには、事業者任せでなく、海水浴場単位での計画とすることが不可欠であり、行政の責任も明確にする必要があります。
 第三は、地震や津波観測体制の強化です。
 東海地震や南関東地震をターゲットにした観測だけでなく、阪神・淡路大震災を契機に全国的な地震観測が強化されてきており、膨大な量のデータ処理や監視がますます要求されることになります。観測機器の計画的更新や人的資源の確保は、待ったなしの状況です。
 第四は、防災施設の整備、学校等の耐震強化を推進することです。
 津波防護施設を初め、地域防災拠点施設や避難地、避難路、消防用施設などの整備は、地震防災緊急事業五カ年計画として進められていますが、学校施設の耐震補強などのおくれが深刻な問題となっており、財政負担のあり方を含め抜本的対策を講じるべきです。また、住宅の耐震補強は、地震による犠牲者を減らすだけでなく、津波からの避難を可能にし、地域の崩壊を防止し、救助活動を確保する上からも必要であり、国による支援をさらに拡充することが求められています。
 利潤や利便性だけを追求した開発行為や土地利用を見直し、これ以上災害の危険を増加させないことも不可欠です。日本共産党は、地震・津波の被害を最小限に食いとめるため、地域の皆さんの英知を集め、御一緒に奮闘する決意を申し上げ、起草に当たっての発言といたします。(拍手)


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