鉄道事業法「改正」案に対する反対討論 衆議院 国土交通委員会 大幡基夫議員 2002年6月7日

 日本共産党の大幡基夫です。
 私は、日本共産党を代表して、鉄道事業法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 反対理由の第一は、今、荷主企業が、極端に安い運賃と無理な運送時間を押しつけていることで、今、運賃・料金の事前届け出制を廃止すれば、トラック運送業界などに蔓延している、過当競争下での運賃ダンピングや、大企業荷主による一方的な運賃切り下げをますます助長し、そのことがまた重大な交通事故の増発につながるからであります。トラック協会の調査でも、運賃水準低下の要因として、荷主からの一方的な値下げ要請を挙げている事業者が三二%にも達しています。石油輸送では、この六年間に何と四四・三%もの運賃切り下げが強行されています。
 反対理由の第二は、貨物自動車運送事業法にある営業区域規制の廃止によって、積み荷を求めて全国どこへでも次々とトラックを回していくことが可能になります。そのことがトラック労働者の労働条件を悪化させ、過労運転などによる交通事故の増加につながることは、警察庁の資料などからも明らかです。一たび交通事故を起こすと悲惨な重大事故になる大型トラックの安全対策は、社会的、国民的要請であります。
 第三に、今日、自動車排ガスの抑制や地球環境保護などの国民的要請にこたえるためにも、鉄道輸送などクリーンな輸送機関の見直し、充実強化が重要な課題になっていますが、本法案は、これに逆行するものであります。
 本法案にある鉄道事業における運賃・料金の上限認可制の廃止は、荷主等とその都度自由に運賃契約ができるようにすることであり、国鉄の分割・民営化によって、ダイヤの設定権限をほとんど持っていないJR貨物が運賃値引きによって貨物を集める経営に走ることは必至です。その結果、不採算区間の撤退、JR貨物鉄道の労働者にさらなる労働条件の切り下げが押しつけられ、それが旅客鉄道も同一路線を走るJRの安全運転にも重大な影響をもたらすことになりかねません。
 このような国民の願いとかけ離れたさらなる規制緩和を容認することはできません。
 以上、本法案に対する反対討論を終わります。(拍手)
 私は、日本共産党を代表して、使用済自動車の再資源化等に関する法律案に対し、反対の討論を行います。
 使用済自動車の再資源化問題は、いわゆる廃車の処理をいかに効率的に進めるかという課題だけではなく、我が国の経済活動の中に循環型社会の実現に向けた企業行動のあり方を正しく位置づけることであり、その課題の実現のために、自動車などの製造業の果たす責任と役割、影響は大変大きいものがあることを指摘したいと思います。
 この立場から、今や国際的な合意になっているEPR、拡大生産者責任を具体化していないために、先行して制定された容器包装リサイクル法や家電リサイクル法が、十分な効果が上がらないばかりか、悪化していることも質問の中で明らかにしました。本法案は、これらの法律の経験と教訓を踏まえて制定されなければなりません。
 本法案に反対する理由の第一は、本法案について、政府は、拡大生産者責任を具体化したものと説明しておりますが、製品に対する製造業者の物理的及び、もしくは財政的責任が、製品ライフサイクルの使用後の段階まで拡大される環境政策アプローチという、本来のEPRとは全く異なるものであるからであります。
 自動車製造業者等は、使用済自動車の再資源化過程で取り出されるフロン類、エアバッグ、ASRの三品を、あらかじめ指定した場所に解体業者が持ち込めば引き取るというだけのものであり、生産から廃棄物になった後まで責任を持つ立場には立っておりません。
 反対理由の第二は、使用済自動車の再資源化に要する費用のすべてを別枠でユーザーに負担させ、自動車製造業者等は一切負担しないからであります。このような仕組みでは、自動車製造業者等が、廃車処理における廃棄物の減量化、再資源化しやすい設計などを積極的に考慮するインセンティブは働きません。
 反対理由の第三は、熱回収を再生利用と同列に置き、循環型社会形成推進基本法に定められたマテリアルリサイクルを優先する原則をゆがめるものであるからであります。
 反対理由の第四は、鉛、水銀、カドミウム、六価クロムなどの使用について、業界の自主規制に任され、規制措置をとっていないからであります。
 最後に、自動車産業が二十一世紀もなお発展し続けることを展望するのであれば、当面の利益に目を奪われるのではなく、本当の意味での拡大生産者責任の具体化が不可欠の課題であることを指摘して、反対討論を終わります。(拍手)


 【討論・発言インデックス


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