あっせん利得処罰法改正案に対する討論 衆議院 本会議 大幡基夫議員 2002年6月6日

 私は、日本共産党を代表して、野党四党共同提出のあっせん利得処罰法改正案に賛成し、与党案に反対する討論を行います。(拍手)
 政治と金をめぐる利権と腐敗を断ち切り、国民の政治不信を払拭することは、今国会の最重要課題であります。
 鈴木宗男衆議院議員をめぐる一連の疑惑、加藤紘一自民党元幹事長の疑惑、井上裕前参議院議長の疑惑など、この間明るみに出た腐敗疑惑のいずれも、政権政党の影響力を背景にして、公共事業など国民の税金を食い物にした、許しがたいものであります。
 ところが、自民党を変える、自民党を壊すと標榜してきた小泉総理は、疑惑の解明は本人の問題だと言い逃れ、与党三党は、自民党自身の問題でありながら、何らの自浄能力を示し得ないのであります。極めて異常かつ深刻な事態であります。
 国民の税金を食い物にして恥じない自民党政治の腐敗体質に国民は厳しい批判の目を向けています。一連の疑惑を徹底解明し、その政治的道義的責任を明らかにし、再発防止策をとることは、国会に課せられた当然の責務であります。その一つとして、野党四党は、あっせん利得処罰法を強化する抜本的改正案を提案したのであります。
 もともと、あっせん利得処罰法は、二年前の総選挙直後、公共事業や予算など国民の税金を食い物にする口きき政治を断ち切るために、野党四党が提起したものであります。ところが、与党側は、野党提案に耳をかさず、抜け穴だらけの現行法を成立させたのであります。
 当時の審議で私設秘書を対象にすることを全面拒否した与党が今回の法改正に踏み切らざるを得なかったことは、現行法が抜け穴だらけで実効がない法律であるという野党の指摘を与党自身が認めたものにほかなりません。ところが、今回の与党改正案は、私設秘書を対象に加えるのみであります。
 与党三党は、その提案理由で、「最近の国会議員の私設秘書等による一連の不祥事に端を発する政治不信を重大に受けとめ、政治に対する国民の信頼を回復する」と述べております。与党が本当に政治不信を重大に受けとめるというならば、なぜ、野党四党の抜本的改正案をまともに検討しないのでしょうか。
 野党改正案は、犯罪構成要件から請託や職務権限に係る規定を外し、対象を私設秘書だけでなく政治家の親族にまで広げ、第三者供賄の処罰規定を盛り込むなど、抜け穴すべて防いで、真に実効あるものに強化しようとするものであります。これこそが、国民の信頼を回復するための法改正であります。
 与党は、口ききの規制を強めると自由な政治活動が萎縮するなどと言います。しかし、国民の要求を政治に反映させることは当然のことであり、野党改正案が問題にしているのは、国民の要求を口ききして、利益を得る行為であります。与党がこれに反対するのは口ききに対する見返りを期待しているからにほかなりません。
 あっせん利得処罰法を真に実効あるものにする野党改正案を一顧だにせず、野党修正要求をも全面的に拒否する与党三党の態度を厳しく批判するものであります。
 最後に、今国会の残された会期、最優先でやるべきことは、政治と金をめぐる腐敗を断ち切ることであります。そのためには、鈴木宗男議員の証人喚問を実現し、国会自身が自浄能力を発揮することであり、野党提案の実効あるあっせん利得処罰法への抜本改正、加えて、公共事業受注企業からの政治献金を禁止するための政治資金規正法の改正が必要であります。
 以上を指摘して、私の討論を終わります。(拍手)


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