国会等の移転に関し意見表明 参議院 国会移転委員会 井上美代議員 2002年5月8日

 私は、これまでの経過のお話がありました。また調査の報告もありました。それらを聞きながら、四点ほどについて国会等移転の問題点について述べたいと、こういうふうに思います。
 一つ目の問題なんですけれども、何を指して国会等移転と言うのかという、こういう問題点なんです。
 九二年の国会移転法、これは移転するものとして、国会並びに行政及び司法に関する機能のうちの中枢的なもの、これを新首都に移すと、こうなっているわけなんです。それが九六年の改正法では、国会並びにその活動に関連する国政に関する機能及び司法の中枢的なものと、こういうふうに変わりました。
 ここに国土交通省が作ったポスターを私、持ってまいりましたけれども、すごく大きなポスターでなかなか立派なものなんです。(資料を示す)
 このポスターなんですけれども、これにも、国会等移転では現在の東京が有する機能、ここのところに書いてあるんですけれども、この機能のすべてを移転しようとするものではありませんということがちゃんと言っているわけですね。そして、国会等の移転といっても、移転するのは国会、国会活動に関連する行政の中枢機能及び司法の中枢だというふうに書いてある。それだけなんで、言ってみれば行政の国会対策になる部分と、それから司法の中枢だけがこの移転をするというふうにこれではなっているわけです。
 このポスターとの関連で言いますと、「国会等の移転の意義・効果」というのがこっちの方に書いてあります。その見出しなんですけれども、「東京への一極集中を是正します」というふうにここに書いてあります、囲みが付いていますけれども。そういうふうに書いてありまして、国会等の移転審議会の試算でいきますと十二兆三千億円で、数十年後、人口が五十六万人となっていると、こういうふうにされているわけです。数十年後の人口が五十六万人になると、こういうふうに言っているわけなんですけれども、これで一極集中を解消することができるのかということなんです。
 およそ集中、この一極に集中しているのを解消するということであれば、そういうままでは駄目だというふうに思いますので、首都はもちろん一千二百万ですけれども、首都圏になりますと三千万からの人口が集中しているんですね。だから、それが五十六万人になったとしても、これ一極集中解消ということにはならない。そうなりましたら、やはり移転推進のスローガン的なものとしかならないのじゃないかというふうに私は思っているわけなんです。
 二つ目に申し上げたいのは、十二兆三千億円も使って首都機能を移転するということは、壮大な無駄遣いであるというふうに思っております。
 現に今、首都東京では立派な国の施設が次々と完成をしているわけなんです。私が資料を取り寄せて改めて分かったことは、衆参両院で国会の移転に関する決議が行われた一九九〇年から今日の二〇〇二年までの間に、首都圏の建設、建て替え、移転が行われた国の施設は、総理官邸で七百四十九億円です。そして防衛本庁で約四千八百億ですね。そしてまた、中央合同庁舎で二号館六百九十五億円です。同じ六号館では五百六十六億円、そしてさいたま新都心合同庁舎一千六百四億円。そして、合計しますとこれは八千五百七十三億円にも上るわけなんです。
 このような膨大な予算で立派な施設を建設しながら十二兆三千億円の予算が必要になる移転をしようというのですけれども、東京都の試算では、先ほども言われておりましたように二十兆三千億円も必要ということになるわけです。国や地方が財政危機のとき、このような壮大な無駄遣いはやるべきではないと私はもう本当に固く思っております。
 三つ目は、人口の少ない、東京から離れたところに国会を移転することは国会を国民から遠ざける、離すというもので、これは、主権者は国民ですからね、だからそういう声が国会に常に反映していかなければいけない、私たちはその代表でもあるわけですから、国会主権の基盤が崩れるのではないかということを感じております。
 四つ目には、大地震の問題が先ほども出ておりますけれども、災害対策との関連で言われているけれども、災害対策というのは、国会移転ではなくて、三千万人が集中している首都で国民の安全を確保するための震災対策の大型の国家プロジェクトをきちんと立てて、そしてそれをきちんと組み立てて作らなければいけないと、そういうふうに思うわけです。これを首都移転、国会移転と一緒にしてはいけないと思います。
 つい最近完成した首相の官邸があって、私も一度見に行ってみたいものだと思っておりますけれども、大災害などの際には官邸の全職員が二週間もあそこに寝泊まりして、泊まることができるということなんですけれども、この首相官邸は国会等が移転したらどうなるのかということ、これは私、今日、専門家もおいでになっておりますので、どの参考人なりお答えをいただきたいと思いますけれども、一体、あれだけ立派なものができているわけなんですけれども、どういうふうになるのか、移転はしないんだろうというふうに思っているんですけれども、どうかということを是非お聞きしたいというふうに思います。
 これら四点を述べましたけれども、私は国会の移転には絶対反対であるということを、この四つを述べて結論とします。
 以上です。


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