日本共産党

2004年12月25日(土)「しんぶん赤旗」

被害者の会が国、企業に抗議

抗がん効果なし 米では「イレッサ」回収


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緊急会見するイレッサ薬害被害者の会・近澤昭雄代表(中央)ら=24日、厚生労働省内

 米国の食品医薬品局(FDA)が十七日に肺がんの抗がん剤「イレッサ」には延命効果がないとして回収するか、または妥当な規制処置をとると緊急声明を出したことで、イレッサ薬害被害者の会(近澤昭雄代表)、薬害イレッサ訴訟の東京、大阪両弁護団は二十四日、厚生労働省と販売もとのアストラゼネカ社(大阪市、加藤益弘社長)に申し入れ書を提出しました。

 申し入れ書によると、同省が十七日に、アストラゼネカ社からイレッサに延命効果がないという市販後大規模臨床試験の結果を受け取っていながら患者や医療機関へ何らの積極的対応をしていないことは、「きわめて遺憾である」と抗議しています。

 また、アストラゼネカ社には、FDAの声明をうけながら、なおも有用性があると説明しているのは肺がん患者を愚弄(ぐろう)するものと批判しています。

 記者会見したイレッサ薬害被害者の会・近澤昭雄代表は、「FDAのホームページを見ていて知り、怒りでいっぱいになりました。日本はどうするのか。何も対応していない厚労省は抗がん剤で安心して治療をうけたいと思っている人たちの気持ちを逆なでするものです」と話しています。

 ◇

 同日、薬害オンブズパースン会議、医薬品・治療研究会、医薬ビジランスセンターは、イレッサの承認取り消しと販売中止、承認申請の全面公開を求めた緊急要望書を連名で、厚労省とアストラゼネカ社に出しました。



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