日本共産党

2004年12月19日(日)「しんぶん赤旗」

柏崎刈羽原発付近

想定超す大地震の恐れ

敷地周辺に巨大活断層も

東電 耐震基準見直さず


 新潟県中越地震にともない、東京電力・柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)の耐震基準が問われています。今回の地震の規模や地震動の強さ、大きな余震の続発は、耐震基準の想定を超えていることがわかりました。原発建設当時には想定外だった巨大活断層の存在と大地震発生の可能性を示す新しい地震資料も出されました。想定外の地震にどう対応するのか。四半世紀も見直さずにきた原発の耐震基準に不安が広がっています。

 松橋隆司記者


写真
耐震性が問われる東京電力・柏崎刈羽原発(東京電力パンフレットから)

 新潟県川口町では、地震の揺れの瞬間的な強さを示す地震の加速度が二五一五ガルを記録。同原発が耐震設計で想定した四五〇ガル(岩盤上)の五倍を超えていることがわかりました。岩盤上では地表の二―三倍加速度が小さくなるという原発側の言い分も通用しない数字です。

 敷地内の地下十キロメートルでマグニチュード(M)6・5の直下型地震を想定した耐震基準に対しても、中越地震はM6・8。想定した耐震基準が小さ過ぎることを示しています。

地図

 中越地震の余震で同原発のタービン軸受けがずれ、運転を停止する事故が発生しました。規模の大きな余震の続発は、原発建設当時にはなかった新たな問題を投げかけています。

 政府の地震調査委員会はこのほど、原発敷地近くをとおる長岡平野西縁断層帯を活断層と認定。新潟市沖から南ヘのびる約八十キロメートルのこの断層が一度に動けば、M8級の地震が発生する恐れがあると指摘しました。耐震基準上からも考慮しなければならない新しい知見がだされたことになります。耐震設計の見直しが求められる問題です。

 これらの問題について東京電力・柏崎刈羽原発は、「安全性は確保されている」とし、なんの対応もしていません。

 加速度・ガル 地震の揺れの強さは、震度で示されるほか、瞬間的な揺れの強さを示すものとして加速度が使われます。ガルは加速度の単位で、地球の重力加速度は、980ガルです。980ガル以上の上下動がきた場合は、瞬間的に無重力状態になり、どのような重いものでも空中に浮きあがります。




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