日本共産党

2004年12月17日(金)「しんぶん赤旗」

住民の切実な思い、熱い期待実感

新潟県中越大震災 共産党対策本部・議員団の調査

土地への愛着/せめてガソリン代/募金に感謝


 「集落に帰り、農業を続けていきたい」という住民の思いがあふれた仮設住宅の集会場。真剣な要望が相次いだ自治体幹部や病院との懇談…。十五、十六の両日にわたって新潟県中越大震災の被災地を回った日本共産党の小池晃政策委員長・参院議員、穀田恵二国対委員長・衆院議員、木島日出夫前衆院議員、笠井亮元参院議員ら。懇談では日本共産党への熱い期待を実感しました。 阿曽隆、藤川良太記者


仮設住宅で

農道が崩れ波打つ水田

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高橋新潟県副知事(左端)と懇談する党国会議員団=16日、新潟県庁

 十五日夜に行われた小国町法末地区住民との懇談。住民の多くは集落に避難勧告が出ているため、同町七日町地区にある仮設住宅で生活しています。会場になった集会場に集まったのは約二十人。「みんなにあるのは土地への愛着です。田んぼは生きてきたあかし」という声が出ました。

 同地区は、水田まで続く農道が崩れ落ち、水田は波うち、亀裂が入り、傾いています。このままでは作付けできません。「国の制度で復旧しようと思えば、五年かかると言われる。70%が六十五歳以上のうちの集落では待てない」と話します。

 り災証明の全壊が集落五十二軒中十五軒にとどまっていることにも疑問が…。

 「来年の作付けに間に合わせるために」と、住民は町道をふくめ水田につながる道路を自分たちで応急復旧しています。復旧に使う重機は営農組合のもの。オペレーターも住民です。「せめて重機のガソリン代とオペレーターの日当だけでも補償してもらえないのか」という切実な訴えが続きます。

 穀田氏は「どんな思いで家に住んできたのか、どんな思いで田んぼをしてきたのか、感じることができました。寄せられた要望は具体的に省庁に届けていきたい」と約束しました。

自治体との懇談

山間地被害とくにひどい

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山古志村の坂牧助役(左側)と懇談する党国会議員団=16日、新潟・長岡市

 十五日。

 被災地に入った小池氏らが真っ先に訪れたのは震度7を記録した川口町。町役場の周辺でも壊れた家が目につきます。

 同町では、住宅被害が、全壊五百七十戸、大半壊百十戸、半壊三百二十一戸、一部損壊三百五十九戸。全く被害なしはわずか三十二戸という大きな被害です。

 桜井誠一総務課長は被災者の多くが高齢者で、新しく新築する力がない人が多いと強調。「銀行もローンを組ませてくれません。高齢者むけの住宅をつくる必要があります。そのさい集落ごとに集合住宅をつくり、農機具収納スペースをつくるなど農作業ができるようにしたいが、国もそうしたことを認めて支援してほしい」と要望しました。

 小千谷市役所横のプレハブの災害対策本部では関広一市長が作業服姿で応対。関市長は「おかげさまで徐々に復旧しつつある。今回の地震は地盤被害が特徴です。り災判定は終わったが、再度見てくれという市民もいるので、雪の消えた来春も見なくてはと思っている。山間地は特にひどい」と話しました。

 十六日。

 長岡市内に設けられた山古志村役場での懇談。村側からは「山古志でしか住めない人もたくさんいる。家からちょっと出れば野菜が取れる環境が大切」と訴えが。栃尾市役所では、懇談が終わると馬場潤一郎市長が一人ひとりと握手を交わしました。

小千谷市で

「先日は…」と固い握手を

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道路や住宅下のがけ崩れを見る党国会議員団=15日、新潟・小千谷市

 十五日訪問した小千谷総合病院は建物に大きな被害が出て修復工事がいまも続いています。

 小池氏は地震後すぐに同病院にかけつけました。一行を出迎えた同病院の横森忠紘院長は「先日はかけつけていただいて」と固い握手。

 一行はその後、病院との懇談でも出された小千谷市日吉町から稲荷町までのがけ崩れ現場を歩きました。がけ崩れ現場の上にある住宅の多くは「危険」と書いてある赤紙が張られていました。

 住宅と住宅の間で起こったがけ崩れ、住宅の間を流れる小川がせき止められていたり、がけ下の住宅に土砂が迫っている状況です。穀田氏は「阪神・淡路大震災のときも、このような状況があった。今回も復旧できないはずはない」と。

 住宅ががけ崩れ現場の上にある倉沢弘平さん(81)は「規模もお金も個人では対応できない。自宅はがけのほうに引っ張られている」と厳しい現実を語りました。

党全国救援センター

ともに頑張る大きな拍手

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ながおか医療生活協同組合の羽賀理事長(奥左)と懇談する党国会議員団=16日、新潟・長岡市、ながおか医療生協前田診療所

 十六日昼に訪問した党全国救援センター。

 約四十人のボランティアを前に、小池氏は「救援センターの活動は、全国の党員に、党活動の原点を思いおこさせ、感動を広げています。いっしょにがんばりましょう」。穀田氏は「ボランティアセンターは政治のありようを問い、『国民の苦難あるところ共産党あり』という党の姿を示す見事な活動をしています」とあいさつ。木島、笠井両氏も紹介され、ボランティアたちは大きな拍手をおくりました。

救援募金手渡す

「涙が出そう」「ありがとう」

 訪問先では共通して全国からの思いのこもった救援募金に感謝が表明されました。

 「涙がでそうです。大事に使わせてもらいます」と語った小千谷総合病院の横森忠紘院長。栃尾市の馬場潤一郎市長は、「なかなか財政規模が小さい市です。被災された方がたのために活用させてもらいます」と。小千谷市の関広一市長は「高額な見舞金ありがとうございます。助かります」、山古志村の坂牧宇一郎助役は「日本中からご支援いただきまして、ありがとうございます」と語っていました。

 被災地訪問には、日本共産党衆院比例北陸信越ブロック事務所の藤森巖所長、党新潟県委員会の小日向昭一委員長、川俣幸雄政策委員長、桑原加代子県国会議員団事務所長が同行。高橋正樹副知事との会談には、五十嵐完二党県議が同席しました。



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