日本共産党

2004年12月7日(火)「しんぶん赤旗」

教育委員に「つくる会」前副会長

相次ぐタカ派発言 上田知事が起用へ

埼玉県


 埼玉県の上田清司知事が、侵略戦争美化の論陣を張っている「新しい歴史教科書をつくる会」の前副会長、高橋史朗・明星大教授(54)を県教育委員に選任する方針であることが、六日明らかになりました。開会中の十二月議会に人事案を提出する予定。「つくる会」によれば、同会の幹部経験者が都道府県の教育委員に起用されるのは全国で初めてです。

 高橋氏は早稲田大大学院修了で、専門は教育学。国の臨時教育審議会専門委員などを歴任しました。一九九七年の「つくる会」結成に参加し、今年十一月まで副会長をつとめていました。

 上田知事は「これまでの歴史教科書は自虐的な史観でものごとがみられているきらいがある。『つくる会』教科書はきわめて新しい試みとして教育界全体の刺激になっている点を評価している」と県議会答弁などで発言。国外からの批判を「内政干渉だ」とのべるなど、「つくる会」の立場に沿った発言をしています。高橋氏の人選は、同知事の意向とされます。

 上田知事は民主党衆院議員出身で、前知事の辞職にともなう昨年八月の知事選で初当選。今年の参院選では自民、民主、公明の候補を応援しました。県議会は事実上、日本共産党を除く「オール与党」体制。憲法九条“改正”を打ち上げるなどタカ派的発言が相次いでいます。


侵略戦争美化に「重大懸念」 

日本共産党 山岸県議団長コメント

 日本共産党の山岸昭子県議団長は同日、「教科書が記す日本の侵略戦争や『従軍慰安婦』、南京虐殺などの記述を『自虐的・反日的』などと誹謗(ひぼう)・中傷する団体のメンバーを教育委員とすることについては重大な懸念を表明せざるを得ない」とするコメントを発表しました。



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