日本共産党

2004年12月7日(火)「しんぶん赤旗」

新防衛大綱・中期防の調整難航?

防衛庁 より増強 VS 若干スリム化 財務省

地球規模の派兵態勢づくりでは一致


 政府が、今月中旬までの閣議決定を目指し、作業を進めている新「防衛計画の大綱」と、それに基づく新「中期防衛力整備計画」(新中期防)。新大綱と新中期防に盛りこむ軍事費総額、装備、定員をめぐる防衛庁と財務省との調整作業の難航ぶりが報じられています。このなかで、浮かび上がるのは、地球規模の派兵態勢づくりで一致しながら、さまざまな利害から“対立”している構図です。

閣議決定に逆らう

 「防衛計画の大綱」とは、「『防衛力』の整備、維持、運用に関する基本的指針」(防衛白書)。中期防は、五年間の装備調達などを決めた計画です。政府は昨年十二月、現大綱(一九九五年)の今年末までの改定を閣議決定していました。

 防衛庁は大綱改定作業のなかで当初、陸上自衛隊の定数について、現大綱より二千人増の十六万二千人を要求。護衛艦と潜水艦も、現大綱水準の約五十隻、十六隻を維持し、戦闘機は、わずか十八機少ないだけの二百八十二機を求めました。

 昨年十二月の閣議決定は「本格的な侵略事態生起の可能性は低下」とし、護衛艦などの装備について「規模縮小」をうたっています。防衛庁の軍拡要求は、閣議決定にも逆らう異様なものです。

 軍事費では、今後五年間の総額を現中期防より三千億円以上増の二十五兆五千億円要求。理由にあげているのは、一兆円もかかる「ミサイル防衛」システムの導入です。

 「ミサイル防衛」は、相手国のミサイルを無力化することで、米国の先制攻撃戦略に加担し、日本を組み込む危険な計画です。しかも、導入開始の今年度の軍事費は、前年度よりわずかであっても減額しています。来年度になって突然、大幅増が必要だという主張は、成り立ちません。

24兆円台で決着か

 さすがに財務省は、削減を求め、軍事費は減額の見通しですが、それでも、とりざたされている決着額は二十四兆円台。わずかなスリム化だけで、派兵能力は強化する方向です。

 装備でも、護衛艦は微減の四十七隻、潜水艦は十六隻のままになるとみられ、定数でも、財務省案の十二万人は、防衛庁が抵抗。結局、十五万人台で収拾を図る動きが報じられています。陸自の実員は定数より少ない十五万人程度であり、これでは、現行とあまり変わりません。

 小泉政権が新大綱で狙う最大の眼目は、米国の要求に従い、先制攻撃戦略を公然と掲げる米軍と自衛隊との共同作戦を、地球規模で拡大する態勢づくりです。

 防衛庁と財務省との違いは、派兵態勢づくりの基本路線のうえに、より増強するのか、若干のスリム化をするのか、でしかありません。



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